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イノベーションの「マネジメント」:自由と規律のバランスの難しさをどう克服するか

2013年04月12日 00:24

従業員の規律性を重んじ、生産性の向上と短期的成果を追求する企業風土の中では、革新的人材の発掘やイノベーティブな実践重視のプロセスは実現しにくく、尖がった人材の活動も難しく、またそのような人材も育ちにくいのが現状です。
しかしながら、新しいアイデアや行動を重要視できる組織方針を打ち出し、多様な考えを認め、試しながら洗練させていくスピードに評価を置くマネジメントは極めて重要であることは、様々な企業がその企業理念やコンピテンシーなどの中に多様性の受け入れや迅速な判断と行動を重視するメッセージが躍ることにも見ることができます。
 昨今のようにTwitterやFacebookのようなSNSが社会や国家の仕組みをも変えていく時代においては、多様性とスピード重視は特に重要な視点だと考えられます。

一方では現在の業績維持・発展を実現しなければならない組織の現状もあり、しかし一方では、未来を見据えたイノベーションを起こすための種を沢山育む必要があるという、いわば相反する組織マネジメントを同時進行でしなければならいというのが今我々の組織に求められていることでしょう。
リスクをとってイノベーションの芽に対するプロジェクトの権限委譲できる仕組みを持つこと、そしてそのようなことの価値を重要視する風土を醸成することも重要になってきます。お題目としては、イノベーションを重視することを謳っていても、実際の評価制度は「今」の業績を評価する内容になっているなどの現実があれば、決してイノベーションを重視する姿勢は組織に根付かないでしょうし、リスクをとって「未来の創造」に投資する(人材を登用し、資金やリソースを配分する)マネージャーも生まれないでしょう。
仕組みとして経営陣が資金や人材を提供し、実行チームに権限を委譲し、「試す」中からビジネスチャンスを見つけることに対する「学習」のプロセスを重視した制度を作る、例えば、常にイノベーションに関わるプロジェクトチームによるプロジェクトが走ることができるような資金とリソースアロケーションがあることや、「今」の業績評価が重視される組織機能とは別の評価指標を設けるなど、組織への貢献の指標を未来軸にもっていくことも必要でしょう。そのためには、マネジメント人材の評価に対しても、この未来軸に対しての貢献(新しい価値創造に尽力したか、イノベーションプロジェクトに参加できる人材をどれくらい創出することができたかなど)も取り入れる必要があるでしょう。
 このように、新規事業創出を目指すプロジェクトチームを常にもつことができるよう、またそのようなプロジェクトを支えることができることが、チームメンバー以外の従業員にとっても重要な価値として認められるような仕組みを作っていくことに人事部門や人材開発部門は多いに貢献できるのではないでしょうか。 そのためには、イノベーションのハブとして、強い意志のある「革新的な人材」が「共感できる場」を提供することや、尖がった人材が何の遠慮もなく意見を言えるような場を創ることや、そのような人材の情報を収集し、その人たちの意見をどんどん公表・共有していくようなコラボレーションの種を提供するなど、積極的な仕組みの提供が求められるでしょう。その結集されたパワーから新しい事業のアイデアの醸成・具体化、洗練といった新規事業創出の大きなドライブフォースとなるプロジェクトチームへ昇華させる組織的な動きを支援することは、R&D部門だけの仕事ではなく、L&D(Learning and Development)部門も多いに貢献できるでしょうし、評価制度などの充実のためには人事部門としての専門性が多いに役立つところではないでしょうか。
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