fc2ブログ

T+D Magazine最新号トピック:シーメンスのラーニングゾーン

2022年04月06日 18:25

Lisa Lang



シーメンスの生涯学習に基づく成長マインドセット


過去10年間、人々をつなぐデジタル革命の嵐に乗り、人々のコミュニケーション、購買、仕事、エンターテインメントへのアクセスが一変しました。 そして、今や、デジタル業界とインフラストラクチャ、そして、米国シーメンスにとっても待ちに待った機会が到来しました。同社は現在、デジタルトランスフォーメーションの次の波となる「物をつなぐ人々」を率いる準備に邁進しています。


パンデミックによって起こされた混乱を体験して、弊社はパンデミック前の状態に戻ることは考えていません。 社長兼CEOのバーバラハンプトンが言うように、シーメンスはこれから急速に変化する時代を先取り、繁栄することを目指しています。 優先事項の1つは、全社員の成長マインドセットを育成することです。これは、人間に限界はなく、好奇心とイニシアチブという2つの特性を前提に、顧客のイノベーションを迅速に助けようという考え方です。


成長と学習


成長の考え方を広めるために、シーメンスは学習を根本的に見直しています。個人が学校で学ぶ知識は、もはやキャリアを全うするのに十分ではありません。生涯学習を促進するために、学習は従業員の日常の職場に組み込まれる必要があります。


しかし、それだけではありません。 2021年のSiemensBusinessConferenceで講演した成長マインドセットの専門家であるEduardoBriceñoは、パフォーマンスゾーンとラーニングゾーンという2つの異なる学習スペースにおいて、前者で主にひとは物事を成し遂げる傾向があると言います。しかし、成長の考え方の本質はラーニングゾーンに比重があるという点です。


ラーニングゾーンでは、ひとは物事をより良くする方法に焦点を合わせ、継続的な再発明を促します。間違っても大丈夫と思い、ここで経験することが最終的にはより高いレベルの創造性と革新が起きると理解しています。


シーメンスの人と組織(P&O)チーム(以前のHR)の現在の課題は、従業員がラーニングゾーンでより多くの時間を費やすことをよしとする文化をどのように醸成するかということです。


多くの業界で役割変更のためにスキルアップまたは再教育のための再投資の必要に迫られ、ソフトスキルを強化が叫ばれます。人工知能がますます重要な役割を果たす世界では、創造性、独創性、イニシアチブなど、世界で最も望まれるスキルのいくつかは本質的に人間スキルであることが世界経済フォーラムの調査でも明らかになりました。リーダーシップと社会的影響、感情知能、アクティブラーニングと学習戦略などです。これらの需要の高いスキルセットが進化するに従い、従業員とマネージャは、以前は目もくれなかった他の役割にも応用できる、現在体得しているソフトスキルについて再考することをお勧めします。


そして企業として、シーメンスは従業員が新しいスキルやアプローチをより簡単かつ効率的に体得できるようにしたいと考えています。そして、スタッフが生涯学習とキャリア開発のオーナーシップを持ち、成長に責任を持つことを目指しています。マネージャが何をいつ学ぶべきかを部下に諭すのではありません。学習の旅もやはりユニークでなければならず、ビジネスが最も必要とするスキルを彼らに身につけさせるべきです。


こうして、私たちの学習リソースはより学際的で、より機敏で、より仮想的で、より仕事に基づいたものに変貌しつつあります。


現代の学習哲学の構築


アメリカの人事責任者として、私はすべてのシーメンスの人々と私自身のチームのために継続的な学習が重要だと信じています。シーメンスが会社全体およびチームレベルでデジタルトランスフォーメーションを追求したとき、従来は学習組織内では求められなかったスキルが必要であることがわかりました。データ分析、デジタル世界のためのビジネス洞察力、ベンダ管理、快適なデジタル学習体験を作成することなどです。


これらの新しいスキルに基づいて、チームは徐々に従来の学習の役割とスキルセットをアウトソーシングし、コンサルティング、ビジネスとのソリューションの共同作成、学習エコシステムの形成など、よりビジネスに影響を与える分野に移行しました。


ポジションに空きができると、新しいスキルセットを持つ候補者を採用しました。次に、既存のチームメンバ向けの新しいスキルセットの開発にも注力しました。場合によって、チームメンバは、メジャとマイナと呼ばれる専門分野、人事のメジャとマーケティングのマイナといった分類をしました。そのため、最大のニーズに応じて、外部だけでなく内部でも仕事の領域を拡張することができました。


私たちが探していた最初の2つのスキル、つまり学習者に焦点を当て学習の専門知識を持っていることは、人事にとって伝統を踏襲するものです。ビジネスパートナという役割を担うという3番目のスキルは、学習および成長コンサルタントとして機能するのに十分なほどビジネスを理解していることが必要です。


そのためには、もちろん、チーム内および他の部門、さらにはビジネスやオペレーションに参加し、増え続ける外部パートナとコラボレーションが鍵となりました。


データ分析の観点から学習への新しいアプローチが多く示されました。私たちは、システム外部の多くのデータを使って、ビジネスへの波及効果をより強化できるようにしました。


その中で、重要なスキルセットとして、イノベーションがあります。まず、学習の観点から、次にユーザーインターフェイスの観点から、色々考えましたが、それは完全にデジタル学習に移行しているから非常に重要でした。プラットフォームを使用する際、学習者が経験するノイズをどのように減らすことができるか?どのような新しいテクノロジが存在し、それらをどのように適用してラーニングゾーンによりアクセスしやすくするか?


このプロセスは、大規模なグローバル企業内で小さなスタートアップを運営しているような感覚です。ファシリテーション、コンテンツ開発、およびプログラム管理を外部委託し、エコシステムの内部および外部のステークホルダを取り込み、ベンダ契約、財務トピック、およびビジネス戦略に取り組んできました。私たちが学習組織の重要なスキルセットとして定義したビジネス洞察力は、ますます重要になっています。


学習チーム内での学習


私のチームの主な目標は、南北アメリカ(米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、コロンビア、ペルー、チリ、アルゼンチン)の55,000人の従業員が、ビジネスを成功させ、将来に適応するための適切なスキルを確実に身に付けることです。学習組織内の中心的な役割は、戦略的優先順位についてビジネスラインと相談し、ソリューションの共同作成を支援する学習パートナです。その他の内部活動として、ベンダ管理、データ分析、学習テクノロジー管理、学習コンテンツキュレーション、およびコミュニケーションが挙げられます。


私は、各チームメンバへの仮想コーチングを通じてチームレベルでスキルアップすることを奨励しています。ストレッチの割り当てを特定する、マインドフルネス、瞑想、ポジティブ心理学といったクラスを主催する、ワークショップに参加して、個々の強みを発見します。これらのアプローチは、継続的な学習を通して促進され、チームメンバがシーメンスで仕事する目的や社外での個人的な生活をより明確に理解するために不可欠であると考えています。


例として、ラーニングコミュニケーションのリーダは最近、ラーニングニュースレタで次のように述べています。「これまで培ってきたマーケティング経験と連携することで、エンゲージメント、満足度、パフォーマンスのレベルに大きな違いが生まれました。この成功のきっかけは、シーメンスに前向きな変化をもたらしながら、自分の強みと興味を最大限に活用する方法を見つけるために、マネージャと一連の成長に関する会話をしたことでした。」


全員のためのキャリア開発


過去2年間、私たちは優秀な同僚と提携して、成長マインドセットの変革を推進してきました。このイニシアチブであるMyGrowthは、学習とキャリア開発の世界への入り口です。これは、成長へのアプローチであると同時に、最も効果的な学習およびキャリア開発ツールとコンテンツを1か所にまとめたデジタルプラットフォームでもあります。


このプラットフォームには、内省(自分の強みを評価し、何を求めているかを検討する)、自分自身をスキルアップする(学習、コミュニティ内での学習に関して会社が提供するすべてのことを活用する)、およびキャリアを形成する(ジョブシャドウイング、メンタリング、私たちのオープンジョブマーケット)があります。


内省は、従業員が自分の強みを発見し、自分自身の成長を見守り、将来の改善領域を特定するのに役立ち、専門的および個人的に成長と洞察に導きます。内省の主な要素には、コーチング、セルフケア、強みの発見、スキルのギャップと関連するツールなどがあります。コーチングは、人々の自己啓発と成長をサポートするための強力な方法です。米国では、全人的アプローチを提供するデジタルコーチングプラットフォームを使用しています。


スキルアップは、誰もが非公式に取り組むものです。なぜなら、個人は生涯を通じて、個人的および専門的なキャリアを踏むために、さまざまな場所で応用できるスキルを学ぶからです。個人がこれらのスキルをどのように育成および開発するかは彼ら次第です。したがって、利用可能なすべてのツールを活用し、周囲の人々から学び、より意識的で焦点を絞ったスキルアップのアプローチをとる必要があります。


新しいスキルを学ぶには、さまざまな方法があります。視覚的な学習者もいれば、実践的な環境で最もよく学ぶ運動感覚的な学習者もいます。当社のデジタルプラットフォームにより、従業員は、個人の成長、スキルレベル、および学習スタイルに合わせた学習機会を発見し、個人的および専門的に成長および発展できます。


キャリアを形成するためには、自らのキャリアを自分の手に委ねることを意味します。それは快適ゾーンから抜け出し、新しいつながりを作り、そして彼らの個々のキャリアの旅をたどることです。人のキャリアは、人生と同じように、常に変化し、進化し、成長しています。それらの変化に追いつくために、彼らは新しいことにオープンになり、指導のために手を差し伸べる自信を得る必要があります。 My Growthを通じて、従業員は、メンタリング、ジョブシャドウイング、ジョブタグ付け、および企業固有の人々のプロファイルから、キャリアを構築する機会があります。


MyGrowthとMyLearningWorld(学習ポータルサイト)の目標は、従業員が生涯学習スタイルを開発する際に、興味、スキル、機能、または、役割に応じて学習できるように、進化する学習コンテンツを作成することです。 これにより、シーメンスは求める生涯学習を追求できます。


学習を信じる従業員


上級管理職は、従業員1人あたりの年間学習時間の目標数に関連付けられた年間ビジネス学習および技術トレーニングを長く推奨してきました。最終的に、上級管理職は、部分的にその学習時間目標の達成に基づいて、毎年株式報奨を受け取っています。いくつかの国では、インセンティブはすべてのマネージャにも適用されます。同社は、地域全体で積極的に学習を促進しているマネージャを重視し、前向きな例として認知しています。


すべての人のための学習文化を構築するために、MyGrowth運動を主に推進しています。 さまざまなグループに仮想ロードショを提供しています。チーム内では、カントリーヘッド、ビジネスパートナ、その他のエキスパートチームなどの同僚と協力して、学習エコシステムをサポートしています。私たちは、学習と成長のメッセージを拡散してくれるコミュニケーションの同僚と素晴らしいパートナーシップを結んでいます。最後に、社内のソーシャルメディアとデジタルプラットフォームを最大限に活用して、組織内のできるだけ多くのユーザにリーチします。


加えて、シーメンスには、成長の考え方と生涯学習に大きく傾倒しているかなりの数の従業員がいるという点で幸運です。彼らは多くの場合、新しい役割や経営陣がまだ策定していない役割につくための準備に余念がありません。


「特定の役割にとどまり、特定の異動レーンにとどまることがいここちよいものです」と、スマートインフラストラクチャのシニアセールスエグゼクティブであるTali Andersonは言います。 「私はオペレーションで経験し、サービスに携わり、エンジニアリング職にもつきました。しかし、これまで営業は避けてきました。しかし、このたび、自動化のソリューションサイドで仕事をすることにし、上級営業職に就きました。そんな私から、皆さんに次のような挑戦をすることをお勧めします。どこに行きつくのか、どのように成長できるのかわからない仕事を選びましょうと。なぜなら、あなたはどこに行っても、体得したスキルを失うことは決してないからです。」


従業員が自分自身を改造する意欲は、会社の生涯学習の進化に大きく寄与します。 「常に変化している世界と関連することが重要です。時代に合わせて変化する必要があります」と、南米のベネフィットコンサルタントであるMary Bissette-Clarkeは述べています。 「私は、コンセプト、つまり、記事、コーチング、ウェビナ、プレゼンテーションを通じてトレーニングを受け、学んだことを適用するのが好きです。私は非常に実践的で、シーメンスのエンパワーメント文化をサポートする『実行あるのみ』タイプの人間です。」


実際、社員の考え方は、「変化に備えよ」だけではありません。それは、「学習を通じて変化せよ」です。


「キャリアは直線的なキャリアパスから個別のオプションコースに変わりつつあります。キャリアが個別になると、学習もより個別になる必要があります」と、フォーカスファクトリーマネージャのCoreyW.Scalesは述べています。 「私たち一人一人がスキル、知識、経験のユニークな集合体です。したがって、私たちの学習と能力開発のニーズは、現在の役割で見つけ、新しい役割に備えるために非常に個人的なものになります。」


学習の進化


シーメンスは生涯学習を進化させ続けており、ビジョンは、従業員の学習体験をよりモジュール化して、簡単に消化し、日常業務につなげ、ビジネスに柔軟かつ適応できるようにすることです。 従業員とマネージャーが絶えず変化する組織でますます複雑になる問題を解決する準備をするためには、継続的に学び、発展し、成長する必要があります。 シーメンスは、この成長マインドセットを育成し、学習とキャリア開発のまったく新しい文化を創造することに取り組んでいます。

https://www.td.org/magazines/td-magazine/enter-the-learning-zone


スポンサーサイト





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kokonakahara.blog51.fc2.com/tb.php/262-8128781c
    この記事へのトラックバック