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最新ラーニング・テクノロジ事情

2021年01月17日 17:37

ATDの最新State of the Industryレポートは、2019年のテクノロジの使用増加に加えて、他のタレント・デべロップメント・ベンチマークとトレンドを明らかにしました。

Association for Talent Developmentの2020State of the Industryレポートによると、2019年のラーニング・テクノロジ(リアルタイムの仮想教室とセルフペースのeラーニングの両方)の使用は急速に増加したことを報告しています。これは、COVID-19パンデミックによりリモート学習が対面学習を凌駕する前の出来事です。

調査では、2019年の平均的な組織の直接学習支出は従業員1人あたり1,308ドルです。ATDの研究者が、さまざまな業界、企業規模、場所を代表する283の組織からの自己申告データを分析した結果、弾いた数字です。

テクノロジがサポートする学習

平均的な組織では、セルフペースのオンライン配信(eラーニング)が2019年には、26%を占め、前年の22%から増加しました。これは、ATDレポートE-Learning:The Evolving Landscapeの調査結果と一致します。

「eラーニングの使用は増加しています。5年前の1〜20%と比較して、現在、標準的な組織の学習ポートフォリオの21〜40%を占めています。さらに5年間で、41〜60%はeラーニングとなるでしょう。」 eラーニング・レポートはまた、5年前の約4分の3から、今後ほとんどすべての組織がeラーニングを採用することを明らかにしています。

ほぼすべての調査参加者は、従業員がeラーニングにアクセスするためにデスクトップまたはラップトップ・コンピューターを頻繁に使用すると報告します。半数近くの従業員がタブレット、41%がスマートフォンを頻繁に使用して学習しています。

学習に関連するもう1つの急成長しているのは、仮想教室です。これは、ライブ・インストラクターと学習者を接続するためのテクノロジを使います。企業は、バーチャルで分散した従業員にリアルタイムで繋がると同時に、移動コストと時間を削減または排除します。

2019年、組織は仮想教室を使用して、学習時間の19%を提供し、これは、2018年の11%から増加です。2020年9月のレポートEffective Trainers:Traditional and Virtual Classroom Successで、ATD Researchは、10の組織のうち約7つがバーチャル・トレーニングを採用しています。仮想教室がサポートする機能は近年成長しており、ほとんどの仮想教室ユーザーは投票、挙手、ビデオおよびマルチメディアストリーミングです。

2019年にテクノロジによる学習が増加したことを考えると、企業が従来の対面式のインストラクター主導の教室で学習時間の割合は、昨年は約40%に減少しました。

学習支出と時間

平均的な企業が2019年に学習に費やした労働者1人あたりの学習費用は$ 1,308であり、2018年の$ 1,299から1%微増です。背景を説明すると、大多数は国際通貨基金が先進国とみなす国に本社があります。(通常、一人当たりの国内総生産が高く、著しく工業化されています)。 2019年、先進国のインフレ率は1.4%で、学習支出のわずかな増加より上回ります。

国際通貨基金によると、2019年の世界の経済活動のペースは「弱く」、製造が減速しました。さらに、貿易と地政学的な緊張が不確実なビジネス環境を作り出しました。国際労働機構によると、2019年の世界の失業率は5.4%で、2018年の数値に非常に近いです。

ATD Researchチームは、直接学習支出の内訳を詳しく調べ、内部サービス、学習ベンダ、および授業料の払い戻しの3つのカテゴリに分類しました。内部サービスには、社内開発、配送および管理費、人材開発スタッフの給与です。学習ベンダはコンサルティング・サービス、外部コンテンツの開発とライセンス、トレーナです。授業料の払い戻し費用には、大学でのプログラムとコースのほか、継続的な専門教育と認定が含まれます。

2019年、組織は直接学習支出の66%を内部サービスに当てました。 24%は学習ベンダ、残りの10%は授業料の払い戻しです。 World at Workの2019年の調査によると、雇用主の86%が少なくとも一部の従業員に授業料の払い戻しをしています。

2020年のState of the Industryは、平均的な組織では、各従業員が2019年に34.7時間を公式の学習に当てたことを報告します。これは、8時間の就労日数が4日をわずかに超える時間に相当します。公式な学習時間は、オン・ザ・ジョブに組み込まれていない、研修時間数です。その数字は2012年から2018年の間に30.3から34.0時間であったため、2019年の数値は比較的高くなっています。実際、使用されたトレーニングの1時間あたりのコストは、近年わずかに減少しました。これは、組織が比較的効率的に学習を配信していることを示します。

ATDの研究者はまた、会社の規模と業界ごとに効率と支出のデータを分類しました。大企業は通常、コスト上のメリットを甘受します。開発と配信のコストをより多くの従業員(規模の経済)に分散できるため、1人あたりのコストを削減して同じ学習サービスを提供できます。 2019年のデータでは、大企業(少なくとも10,000人の従業員)は、従業員に1人あたり36時間の学習を提供したにもかかわらず、1人あたりの直接学習支出が最も低く、平均を上回っていました。

サンプルで最も支出の高い業界は、金融、保険、不動産(FIRE)の企業でした。このグループは、従業員1人あたり平均1,413ドルを学習に費やし、各従業員は35時間学習しました。 FIRE企業は多くの規制や基準に対応する必要があり、その多くは複雑な内部ポリシーや手順に準拠するため、コンテンツ学習には頻繁な更新が必要です。

一方、メーカは従業員1人あたり487ドルを学習に費やし、1人あたりの使用時間は比較的少ないです。製造業の従業員は、何時間もの正式なトレーニングを必要としない場合があり、正式なコンテンツを頻繁に更新する必要がない場合もあります。実際、他の業界よりも、製造業者は実地訓練に依存します。さらに、サンプルの多くのメーカは大規模な労働力を持ち、他の企業よりも新興市場経済に本社を置き、トレーニングの設計と提供のコストも先進国よりもはるかに低く抑えられます。

コンテンツ配信

上位の学習コンテンツ領域は、引き続き管理および監督の領域でした(学習ポートフォリオの14%)。 Gallupは最近、エンゲージメントの高い文化を持つ組織が、マネージャとチームで課題解決するスキルの構築を強化していることを発見しました。

さらに、エンゲージメントの高い企業は、個々のマネージャの能力に合わせて管理トレーニングを調整します。最近のATDの調査レポート、「コーチとしてのマネージャ:従業員と組織のパフォーマンスの向上」では、コーチングスキル(積極的な聞き取りや的を絞った実用的なフィードバックの提供など)に関するトレーニングを従業員に提供することが、企業のパフォーマンスの向上に影響すると説明しています。

必須およびコンプライアンス(学習ポートフォリオの13%)は、学習コンテンツ領域で2位を維持しました。当然のことながら、ヘルスケアや製薬など、より厳しく規制を課される業界にとって、ポートフォリオの大きなシェアを占めます。専門家および業界固有のコンテンツが3位です(学習ポートフォリオの13%弱)。例えば、会計スキル、法律スキル、または医療スキルです。

オン・ザ・ジョブの学習

上記で使用される正式な学習時間は、職務活動とは別に発生する学習の合計です。ただし、多くの企業では、仕事中に発生する学習経験が従業員の育成に不可欠と考えます。その認識の下、ATDは回答者に、職場での学習活動(独立した活動ではなく、仕事の活動と絡み合う学習として定義)に対する組織の取り組みを評価しました。

2019年には、56%の企業がオン・ザ・ジョブ学習を非常に重視していました。これは2018年に見られた55%に近い数値です。別の31%はそれを適度とみなしました。わずか11%だけがそれほど重要でない、そして、たった1%はそれをまったく重視しませんでした。 ATDは、組織の半数強が直接の知識共有が高度に起こり、または非常に高い程度で発生し、約3分の1がテクノロジ(ソーシャルメディアやオンライン・コラボレーション・ツールなど)を利用した高レベルの知識共有していることを明らかにしました。

今後の展望とCOVID-19危機

2020年3月11日、世界保健機関はCOVID-19の大流行を宣言しました。パンデミックは広範囲にわたる混乱を引き起こし、世界中の雇用者に前例のない課題を提示しました。実際、国際通貨基金は、ウイルスの経済的影響を「私たちの生涯で経験したものとは異なり」、「大恐慌以来最悪の不況であり、世界経済危機よりもはるかに悪い」と述べています。

2020年のState of the Industryで報告されたデータは2019年のものであるため、来年のレポートは、パンデミックが学習に与える影響についてより深い洞察を与えるでしょう。 ATDは、2021年夏に2020年の学習データを回収します。

一方、ATDの調査チームは、2009年以降、タレント・デベロップメント・エグゼクティブ・コンフィデンス・インデックスでタレント・デベロップメント・エグゼクティブの信頼レベルを追跡しており、2020年にはエグゼクティブの信頼度が最低値に陥ったことを発見しました。たとえば、学習ニーズを満たすためのリソースに関して多くの役員がネガティブな見方をしていることがわかりました。 2020年春にマネージャー以上のATD調査によると、大多数の組織がライブの対面トレーニング・イベントをキャンセルするか、仮想イベントに移行したことが報告されています。

2020 State of the Industryレポートは、こちらをご覧ください。td.org/SOIR2020

https://www.td.org/magazines/td-magazine/learning-technology-is-trending-up
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