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成功するソフトスキル・プログラム

2020年10月15日 11:55

Patricia Pulliam Phillips, PhD, Jack J. Phillips, PhD , Rebecca Ray, PhD

成功するための10ヶ条

効果的なソフトスキル・プログラムを詳かに検証することで、成功要因、または、失敗要因を突き止めることができます。成功することが、もちろん理想ですが、失敗からも多くのことが学べます。そして、失敗が必ずしも投資に対する効果をもたらさなかった、または、重要なビジネスにインパクトを与えなかったというわけでもありません。プログラムが期待に応えない場合、どのような結果になっても失敗となります。プログラムが調整されれば、成功する可能性がより高まります。

ソフトスキル・プログラムが、適切な設計のもと、導入されると、100〜500パーセントの高いROIに達することさえあります。リーダーのためのソフトスキル・プログラムに参加した後のリーダーが、これまでと違う行動を示した時の現場に与えるインパクトを考えれば、一目瞭然です。この変化はチーム全体に影響を及ぼします。

例えば、15名の直属の部下を持つカスタマー・ケアセンターのチームリーダーが与える影響は、チーム全体の改善に繋がります。プログラムによって生産性(この場合は通話量)が向上すれば、その数値を測定できます。その改善された金銭的価値を個人のトレーニング・コストと比較すれば、ROIの価値は高まるでしょう。

我々のROIインスティテュートでは、このレバレッジの効果に最高財務責任者が理解を示し、ソフトスキルから高いROIを期待できるチャンスが訪れました。期待収益がない場合、改善すべき点が何なのかを追求する他、手はありません。

次に、ソフトスキル・プログラムが失敗する(または成功しない理由)一般的な理由を検証しながら、成功要因をイタリック体で挙げていきましょう。

あなたの会社の結果って何ですか? (ビジネス上の整合性の欠如)

ROIインスティテュートによるソフトスキル・レビュに基づくと、プログラムがビジネス・ニーズと初めから適合していないことが、業績低迷の最大理由となっています。ほとんどのソフトスキル・プログラムは、身につけなければならない行動を中心に設計され、ビジネスへのインパクトをほとんど考慮していません。

プログラム設計者は、行動の変化がビジネスにプラスの影響を与えるだろうと予測してプログラムを開発します。ところが、残念なことに、その仮定が常に有効だとは限りません。経営幹部は、研修投資とビジネス・インパクトとの間に明確な紐付けを期待するため、プログラムの開始時に、リーダーシップ開発をビジネス・ニーズに結び付けます。ただし、すべてのプログラムが、ビジネス・インパクト、または、ROIレベルの評価を必要とするわけでもありません。そのレベルで評価する必要があり、要請がある場合において、ビジネスと紐付けます。

成功要因1:プログラム設計時点でビジネス目標に合わせる。

一体、誰が、この行動を必要とするか? (現在の行動を査定しない)

多くの場合、新しいソフトスキル・プログラムは、新しい本、人気のあるモデル、または成功したプログラムに基づいており、一連の行動が、組織にとって適切でない場合があります。「7つの習慣」、マインドフルネス・プログラムでの瞑想、またはチェンジ・マネジメント・プログラムに惹きつけられない人はいません。しかし、それは、今、現場で必要な行動でしょうか?今、現場で必要な行動を明確に理解する方が重要です。

成功要因2:ターゲット・オーディエンスに必要な行動変容を特定する。

学習者はすでに身につけていないか? (学習ニーズを適切に査定していない)

人材育成の研修には、未解決のままの問題が存在します。学習しても行動に表れないという問題です。行動として表れないからといって、必ずしも学習者が行動を効果的に使えないわけではありません。

行動の変容を強制する研修は必要ないでしょう。代わりに、特定の行動を引き起こすのは、上長や周囲の期待、ロールモデリング、報酬、または、その他のソリューションです。学習者が、行動の方法を知っているかどうかをプログラムの支持者に尋ね、答えが「はい」の場合、研修は不要です。

成功要因3:学習者の学習ニーズを特定する。

誰が研修に参加すべきか? (研修を必要とする参加者が除外されている)

ソフトスキル・プログラムは人気があり、様々な理由により、多くの参加者を呼び寄せます。そして、多くの場合、全員参加が前提とされます。「〜すべき」と「〜したい」等、対象者が、異なる動機で参加していることを把握する必要があります。

対象者の動機が曖昧で幅広い場合、あらゆるタイプの人が参加します。この場合、適切な学習者が適切なタイミングで参加し、コンテンツを学習して適用する意欲を持っているかどうかを確認することです。

成功要因4:適切なタイミングで適切な学習者の参加を促す。

参加者が何を達成しなければならないかを理解しているか? (適用することと目標とビジネス・インパクトとの紐付けがない失敗)

人材開発の専門家は、一般的に、学習目標を書く能力に長けています。学習目標はパフォーマンスの観点から書かれており、多くの場合、参加者が、特定の条件、つまり精度、正確さ、または、時間といった基準のもと、行動することを示唆しています。しかし、残念ながら、ソフトスキル・プログラムに関しては、学習目標が不明瞭なままであることがよくあります。

さらに悪いことに、応用とビジネスへのインパクトはほとんど考慮されません。応用の目標は、参加者が学習した内容をどのように応用するかを提示し、ビジネス・インパクトは、ビジネスの指標となる応用の成果を表さなければなりません。

成功要因5:ソフトスキル・プログラムの応用とビジネス・インパクトを確立する。

プログラムは適切に設計されているか? (不適切なプログラム設計)

プログラム設計が問題となるケースがあります。参加者には様々なスタイルがあり、様々な方法で学習します。経験、ニーズ、パフォーマンスのレベルも多様です。適切なコンテンツの欠如が、設計上の問題になる可能性がありますが、利便性、サポート、期待、配信、および容易さの点で設計が機能しないと、問題が発生します。

ファシリテータは、参加者が学び、応用することを促すために、参加者の心を掴む必要があります。プログラムは、人々がどのように学ぶかを考慮しながら、スケジュールの制約を満たさなければなりません。参加者は、1口サイズ、または、モジュールで学びたいケースなど様々です。 「私が必要としていた」、「理解するのに十分」、「ジャスト・イン・タイム」が理想です。

成功要因6:学習と応用を成功させるためのソフトスキル・プログラムの設計。

どのような期待に沿うか? (学習者からのコミットメントを得られない失敗)

期待に応えるには、いくつかの問題があります。参加者は、初めて聞きましたという状況に陥ることを望まないので、プログラムの要件と期待を早期に伝えておく必要があります。また、彼らはプログラムを最大限自分のものにするために何をしておくべきかを知りたがります。プログラム設計者は、詳細を知らせ、学習内容をどのように応用するかを伝え、成功像を示す必要があります。このことにより、誤解を避け、不明瞭さを取り除くことができます。

適切なビジネスへのインパクトが考慮されることにより、応用とインパクトの不明瞭さは取り除かれ、目標として言語化されます。しかし、これらの目標がなければ、参加者は何を期待すればいいかわかりません。ビジネスでインパクトを与えなければ、期待する成功はおそらく望めないでしょう。

成功要因7:結果を達成し、データを提供するために、期待を持たせる。

これは私の場合、うまくいかない! (応用へのバリアを取り除き、バリアを最小限に抑えられない失敗)

最も失敗する要因の1つは、学習を仕事に転移できない難しさにあります。何十年にもわたって人材開発者の頭痛の種でしたが、参加者が、現場でスキルを使用しない理由はたくさんあり、ソフトスキルの提供者が、転移を促すヒントを与えることは重要です。応用ができない典型的な理由は、それが自分たちの世界に適合しない、時間がない、チームによってサポートされていない、自分たちの仕事に応用できない、または既存のアプローチを好むなどがあります。これらの障壁は、新しいスキルを現場で応用しない可能性を高めます。

課題は、これらのバリアを早期に(最初のニーズ分析中であっても)検討し、新たに学習した行動の邪魔にならないようにすることです。また、これらのバリアは、問題が明らかになるたびに頻繁に再検討する必要があります。

成功要因8:学習移転の問題に早期かつ頻繁に対処する。

マネージャのサポートがない! (プログラムのマネジメント・サポートが確保できない失敗)

良く設計されたプログラムであっても、マネジメント・サポートがなければ、新しい知識の転移に結びつきません。上長が、プログラムをサポートしている場合、部下の転移を促す人となり、サポートしていない場合は、バリアとなります。

新しいソフトスキルは変化を示し、新しいスキルや能力を応用する多くの場合、余分な手順と労力を必要とします。行動変容には、上長の協力が必須です。上長は、励まし、支援し、時にはスキルを応用する技術さえ求められます。バリアを防ぐために、上長の上長も加わり、理想的には、期待される変化だけでなく、期待される結果を引き出すために積極的な役割を果たすことが必要です。

ソフトスキルを仕事で使うための最も重要なステップは、プログラムに参加する前に、上長が特定の目標を設定することです。 2番目に重要なのは、これらの結果が達成されたかどうかを判断するために、上長が確実にフォローアップすることです。

成功要因9:主要なマネージャーとの協力的なパートナーシップを確立する。

私には、データが十分ない! (データ収集をプロセスに組み込んでいない)

おそらく、ソフトスキルを評価する際の最大の問題の1つは、適切な量と品質のデータを確保できないことでしょう。学習者は、おそらくデータを提供する最も信頼できるソースです。多くの場合、データ収集の方法をプログラムに組み込み、それを応用ツールとして位置付けます。

ソフトスキルを備えたアクション・プランニング・プロセスは、応用とインパクトを測定し、ROI評価に必要なデータを収集する最良の方法です。このプロセスにより、参加者は、ビジネス・インパクトの測定を改善するためのアクションを見つけることができます。

プログラム実施中に、学習者は計画を作成できます。計画は、学んだことを元に、どれだけ成功したかを示すための応用ツールとなります。効率的な方法で応用の方法を導き、ビジネスへのインパクト、さらには金銭的価値の観点から達成した結果を文書化します。プロセスに適切に組み込まれれば、データ収集は簡単な作業になります。ここまで整備できれば、アクションプランの参加率、完了率、および返信率が大幅に向上します。

成功要因10:データ収集をプロセスに組み込み、それを応用ツールとして使う。

適切なプロセス

ソフトスキルの成功要因のトップ10をプログラム設計の順番で提示しました。ファシリテータ、開発者、主催者、および、サポータは、これらの要因を考慮して、プログラムを実行できます。成功要因を明示する方が効果を上げます。通常、上記の内、3〜6項目欠けるプログラムが多く、結果に差が開きます。

この記事は、ソフトスキル価値の証明:ビジネス・インパクトの測定とROI計算(ATD Press)の第1章と第2章から抜粋したものです。

重要なソフトスキル

この分野の専門家であるブルース・トゥルガンは、12の重要なソフトスキルがあると提唱します。

自己評価:明確で意味のある基準に照らし、自分の考え、言葉、行動を評価します。また、特定の目標、タイムライン、ガイドライン、および、パラメータを使ってパフォーマンスを評価します。

個人の責任:直接自分で制御できるもの(主に自分自身)、制御できない場合、自分が制御しないファクタで制御します。

前向きな姿勢:表現、身振り、言葉、口調において、前向きで寛大で熱心な態度で伝えます。

好ましい仕事の習慣:ウェルネス、自己表現、時間厳守、整理整頓、生産性、品質、フォロースル、および、イニシアチブを継続します。

対人スキル:聞くこと、観察すること、そして読むこと。知覚、共感;適切な言葉、口調、表現、身振り(口頭、書面、その他)選び。 1対1およびグループ;対面およびリモート環境の対人スキル。

自発的な学習:心を開き、熟慮、推測に疑問を投げます。情報、技術、視点を追求します。また、知識ベース、スキルセット、および、知恵を蓄積するために、情報とスキルを研究、実践、および熟考します。

問題解決:再構築を回避し、確立されたベストプラクティスを習得します。反復可能なソリューションを使用して、新しい状況で、類似した課題に対して、即座に判断を下します。

意思決定:複数のオプションを特定して検討し、それぞれの長所と短所を評価、目的の結果に最も近い行動を選択します。

状況を優先:なじみのない状況で既存の構造、規則、習慣、および、リーダーシップを理解し、適応します。

市民権:権利と報酬だけでなく、独自の構造、規則、慣習、および、リーダーシップを持つグループのメンバーシップ、所属、および、参加の義務も受け入れ、遵守します。

サービス:必要なものや欲しいものではなく、尊重、コミットメント、勤勉、創造性、犠牲など、提供しなければならないものの観点から対人関係を築きます。

チームワーク:共通の目標を追求するために他者と調整、協力、協力といった、より大きな使命を支援するために必要なあらゆる役割を果たし、他者の成功を支援および認知します。

https://www.td.org/magazines/td-magazine/the-success-and-failure-of-soft-skills-programs
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