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ATD virtual conferenceのご報告(ラーニング・サイエンス部門)

2020年09月15日 16:14

Britt Andreatta氏は、クリエイティビティとは、新しいアイデアを生成するために色々な発想をすること、そして、イノベーションとは、アイデアが存続するための工夫を凝らすことであり、安定したシステムに変化をもたらすことと定義しました。そして、前者は、閃きを介して腑に落ちる瞬間を作り出し、アイデア生成のためにお金を費やすことだと説明しました。それに対し、後者は、プロセス・デザイン思考を訴求し、アイデアを使ってお金を作ることだと、違いを明らかにしました。また、クリエイティビティは、H.ガードナの提唱する9つのインテリジェンスで起き、イノベーションは、ハイリスクを伴うブレークスルと徐々に小さな改善をゆっくり続けるインクリメンタルの2パターンに分かれることを示しました。先の見通しの効かない「今」こそ、企業にとって両表のアプローチが必要なのは、言うまでもありません。特に学習エキスパートとしては、学習者が「なるほど」と手を打つ瞬間をたくさん作れば作る程、神経細胞が連結し、その情報が記憶にとどまることになるため、そういう瞬間をセッションに展開すること、また、念仏を唱える手法は逆効果であることを肝に銘じる必要があります。また、企業イノベーションは、ゆっくり起こり、プロセスの1例としてGoogleで採用された事例(https://www.thesprintbook.com/how)、 また、導入に関しては、Chris Mcchesney, Sean Covey, Jim Hulingによる”The four disciplines of execution”が推奨されました。“Dreamers that do”を皆で目指しましょう。

高いパフォーマンスを実践するGoogleのProject Aristotle研究データ等から、「心理的安全性の確保」が重要であることが随所で紹介されましたが、Daniel Radecki氏は、確からしさ、自律的コントロール、正当に扱われること、尊重されること、信頼、がキーワードとなるとみなしています。そして、Paul Zak氏は、信頼が、プロジェクトの失敗するリスクを削減するデータを回収し、オキシトシン・ホルモンが信頼を高める働きをしていることを示しました。

Kenneth Nowack氏は、やる気を維持したまま、目標達成をするために「目標を1口サイズにする」「習慣化」のメカニズムを紹介しました。神経可逆性は、6-8回の練習と適切な睡眠の後、自動化し、習慣になります。ピアノの習得など精神運動能力は、平均して66日で体得できるとしています。そして、科学的には 10,000 時間の練習で身に付く技術の妥当性はないことにも触れました。

睡眠の脳における役割や体内に吸収したエネルギーの20%を脳が消化するなどが明らかになるに連れ、脳の謎が一層解明されれば、なぜ人間関係において「尊敬」が重要であり、「軽視」「尊敬を傷つける」ことが、非生産的であるかが科学的にわかる日も近いと思います。

最後に心に残った言葉として、Christiaan Vermeulen氏の”We are all smart in different ways”で締めくくることにいたします。

文責:インストラクショナル・デザイナ 多田宣子
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