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T+D Magazine最新号トピック: 「ニューロ・ダイバーシティを求める企業」

2020年06月27日 09:12

Ryann K. Ellis

成功する組織は、ダイバーシティが生産性と利益に与えるインパクトを理解しています。変化する顧客ニーズへの迅速な対応、グローバル市場の開拓、一流人材の獲得には、性別、民族、人種、世代の多様性に対する積極的なアプローチが必要であることを熟知しています。そして、今、職場で新しく形成されつつある流れが、ニューロ・ダイバシティです。

ニューロ・ダイバシティを推進することは、脳機能や行動がバリエーションに富み典型的なニューロ・タイプと異なる従業員をチームに迎え入れることです。彼らがメンバとなると情報処理ややりとりに変化がもたらされます。通常、自閉症スペクトラム障害(ASD)、アスペルガ症候群、注意欠陥多動性障害、失読症、およびその他の認知の違いを持つ人が含まれます。

Centers for Disease Control and Preventionによると、今日、およそ60人に1人の子供が自閉症スペクトラムにあり、世界保健機関は世界中の160人に1人の子供が何らかの形で自閉症を発症すると予測しています。しかし残念ながら、Drexel大学の調査では、ASDのある若い成人の58%が失業しているという結果が出ています。

Autism Worksは、こうした数字が職場環境にどのように反映されるかを教えます。自閉症を認知し、ASDを持つ個人向けのプログラムを開発し、家族や地域社会と緊密に連携するこの組織は、自閉症スペクトラムの人々の失業率は77%にもなると報告しています。そして、雇用されていたとしても、彼らの強みや興味を反映しない単純作業に従事している例が多いと伝えます。Drexel大学の分析によると、自閉症で働く成人の半数以上は、自分のスキルは仕事に必要なレベル以上だと言います。

Auticonは、そのようなタレントのために新しい展開を図る取り組みをしています。グローバルITおよびコンプライアンス・コンサルティング・ビジネスでは、ソフトウェアおよびWebベースのアプリケーションの品質保証テストのために、自閉症スペクトラムの従業員を採用しています。CEOのKurt Schöffer氏は、Auticonの使命は「ニューロ・ダイバシティの認知を高めながら、活用されていない人材プールのための特別なキャリア機会を創出すること」だと述べています。

機会と利点
Auticonは、採用するASDを持つタレントが、ロジック、パターン認識、精度、持続的な集中力における認知能力が高く、直感的にエラーを見つける能力を高められると報告しています。同社はこの可能性を利用して、「自閉症スペクトラムにおいて非常に才能があり、熟練したタレントがIT業界やコンサルティング業界における雇用機会を加速させる」とSchöffer氏は付け加えます。

学習、注意、および他の認知能力の違いは欠陥ではなく利点であると考えるのは、Auticonだけではありません。 EYのNeurodiversity Center of Excellenceも、ASDでより多くのタレントを雇用しています。そのイニシアチブは2016年にペンシルベニア州フィラデルフィアで開始され、技術専門家がデータの収集と分析、ドキュメントの追跡を管理しています。 EYはフィラデルフィアをパイロット・ロケーションとして選びました。優れたSTEM教育と自閉症に特化したプログラムを持つ大学に近く、ニューヨークとワシントンDCの中間にあるためです。

EYのダイバシティとインクルージョンのグローバル副部長であるKaryn Twaronite氏は、次のように述べます。「ニューロ・ダイバシティのタレントは、技術・詳細指向であることが多く、分析、数学、パターン認識、情報処理における強力なスキルを備えています。」

EYによれば、最初の1か月で、技術トレーニングの時間を半分に短縮する程飲み込みが早いという
結果が出ました。また、彼らが、一緒に訓練を受けた一般従業員よりもはるかに速くプロセスを自動化する方法を学んだことも発見しました。その結果、短縮時間を利用して、自動化をより迅速に学習できるトレーニング・ビデオを開発しました。 EYはこの最初の成功の後、2017年にテキサス州ダラスにプログラムを拡大し、その取り組みは他の場所にも拡大し続けています。

「企業は自閉症の人々が問題解決に通常と異なるアプローチを取り、論理的で率直な思考が生産性を大幅に向上させ、プロセスの改善に拍車をかけることを期待している」とTwaronite氏は言います。

門戸を開く
Microsoftの自閉症雇用プログラムは、ソフトウェア・エンジニアリング、データサイエンス、コンテンツ作成など、社内のさまざまなチームの人材を集めるために2015年に始まりました。プログラムへの受け入れのプロセスには、自閉症雇用イベントへの参加が必要です。適格な候補者は、最初の技術的スキル評価を受け、その後、電話によるスクリーニングと招待制の1週間のキャンパス・イベントに参加して、スキルと実行可能性が会社のニーズと一致するかどうかを判断されます。

採用とアクセシビリティの責任者であるNeil Barnett氏は、「採用とオンボーディング・プロセスを調整する方法についてもっと広くかつ包括的に考えれば、Microsoftで活躍できる非常に才能のある自閉症の人々がいる」と述べます。彼は、従来の採用プロセスがASDの求職者にとって大きな障壁になると言います。 「門戸を調整することにより、候補者が採用担当マネージャーに自分の力量を披露し、実証するのを助けることができる」と言います。

プログラムの開始以来、50人を超えるフルタイムのニューロ・ダイバシティのタレントがMicrosoftで就業しています。すべて、ワシントン州レドモンドにある同社の本社に属すため、入社者の70%が引っ越しました。

同様に、Freddie Macは、ビジネス・ニーズとASDを持つ個人のユニークな能力が一致するインターンシップ・プログラムを開発しました。このプログラムにより、連邦住宅ローン住宅ローン会社は、主に未就職の才能ある人材(コンピューターサイエンス、数学、金融などの分野で大学の学位を取得しているASDの若年成人)と接触できます。Freddie Macは、自閉症自己擁護ネットワークを含む組織のネットワークと協力して、候補者を特定し、職務を説明し、選ばれたインターンがその潜在能力を最大限に発揮できるよう支援します。

違いの理解
Marcelle Ciampi氏は、Everyday Aspergersの作者であり、ニューロ・ダイバシティを推進するテクノロジ企業であるUltranautsのシニア・リクルータ兼アウトリーチ・スペシャリストです。さらに重要なことは、彼女は天分の才能に恵まれながら、アスペルガ症候群、失読症と診断されていることです。

Ciampi氏は、The Aspergianという自閉症を持つ人が日常・仕事を通じて自らの経験を語るWebサイトで、真の職場のインクルージョンがごく限られたフォーカスでしかとらわれず、責任者が採用の際、ステレオタイプや暗黙のバイアスをチェックできないことに懸念すると述べます。

Auticonのリーダも同様の懸念をあげます。自閉症は個人によって異なり、それぞれ特徴のある独自のプロファイルがあります。

しかし、共通するのは、高度な専門的スキルと能力に加えて、自閉症は、自閉症のない人が通常簡単に習得できる職業人生活と対人関係に課題をもたらす可能性があることです。アイコンタクトとタッチ、おしゃべり、ノンバーバル言語、鋭敏な感覚など、自閉症を持つ従業員が持たない従業員と協力することが困難になる可能性があります。

このやり取りを容易にするために、Auticonは個別サポートを提供できるように訓練されたジョブコーチを採用しています。ジョブコーチは、コミュニケーションを促進し、ニューロ・ダイバシティの如何に関わらず誰もがアドバイスを必要とするときに手を差し伸べます。一人一人の個々のニーズに応じて、ジョブコーチはまた、職場環境への適応を容易にします。

「私たちのアプローチはセルフ・エンパワーメントの概念を採用します。そのため、ジョブコーチは必要な限り多くの支援を提供しますが、常にできるだけ最小限の支援を行います」と述べています。

適切なサポート提供
EYのプログラムの候補者は、専門のスクリーニングとトレーニングも受けます。まず、電話によるスクリーニングで合格した人は、半日のグループ面接のためにオフィスに招待されます。Twaronite氏は批判的思考、技術的スキル、チームビルディングを評価するための場としています。合格者は、SuperWeekと呼ばれる1週間の対面式のオリエンテーション、トレーニング、および評価体験に参加します。

SuperWeekの間、彼らはチームベースの作業シミュレーション、対人スキル開発、役割と会社を紹介するセッションに参加します。サポートはそこで終わりません。オンボーディングとトレーニングは、自閉症の正式なトレーニングを受け、採用プロセスに関わった採用マネージャによって行われます。

Microsoftの新規採用者もオンボーディング・サポートを受けます。特に、企業は最初にロジスティクスを模索し、希望に応えることが非常に困難な場合があるため、このセッションで情報提供することを優先します。たとえば、Microsoftは特定の場所、報告関係、服装規定について明示します。また、一部の新規採用者のために初日または週の詳細なスケジュールを準備します。

さらに、コーチ、メンタ、またはいわゆるサポートサークルのメンバになることを同僚に課します。新しい役割と組織に着任するときに、仕事関連の情報とソーシャルサポートを新入社員に提供できます。

会社のリーダと同僚は、チームメンバを巧みに管理し、すべての人にとってよりインクルーシブな体験を生み出すためのトレーニングも受けます。 Barnett氏のアドバイスはとてもシンプルです。

「より頻繁にフィードバックを与え、会議の要約を書面で共有し、期待するアクションを明確に伝えることは、すべての従業員が成功するのに役立ちます。」

Ciampi氏は、雇用プロセスとオンボーディング中に環境整備または職場調整をリクエストするための明確な手段を提示することをニューロ・ダイバシティ・プログラムのある企業に助言します。たとえば、ジョブ・アコモデーション・フォームがあると、このプロセスを簡略化できます。彼女はまた、ASDで新規採用をサポートする最良の手段は他の自閉症を持つ従業員であることを指摘します。言い換えれば、可能な場合、自閉症のある同僚やマネージャがトレーニングを受け、新入社員を自閉症のあるジョブコーチとペアにすることがベストです。

最後に、Ciampi氏は、ASDを持つ従業員と仕事する従業員を訓練するために、企業が自閉症ではない従業員に自閉症について何を知りたいかを尋ねるよりも、「ビジネスリーダが、自閉症であることについて知るべきことを自閉症を持つ従業員に尋ねてみる」ことだと言います。

https://www.td.org/magazines/td-magazine/a-workforce-that-spans-the-spectrum#gsc.tab=0
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