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T+D Magazine最新号トピック:xAPIを使ったラーニング・エコ・システム (Deep Insights) BRIT KELLER

2018年06月08日 10:05

xAPIによるラーニング・エコ・システムの価値と成果

最新のラーニング・エコ・システムは驚く程、完成度が高いです。一組織のラーニング・エコ・システムは、さまざまなツールとリソースを備えるようになるでしょう。インターネットで利用できる多数のリソースを加えれば、その守備範囲は本当に驚異的と言えます。

これまでにない豊富なリソースを学習者が利用できるようになります。ラーニング・ツールがますますクラウドに上がり、アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)が利用できるようになると、レポートやデータ駆動型の学習が増えます。しかし、現在の分断化した学習環境では、効果的なツールやリソース、ツールの採用を最適化する方法、システムで統一されたレポートを作成する方法といった課題にまだ直面しています。

エクスペリエンスAPI(xAPI)はそれを解消するために生まれました。xAPIは、エクスピリエンス・データとラーニング・ツールを繋げるのです。言い換えると、これはWi-Fiのようなものです。Wi-Fiだけでは何も役に立ちません。引っ張ってくる情報とインターネットに上げる情報にこそ意義があります。データを使ってできることが、重要なのです。xAPIのデータにアクセスすることが、Wi-Fiのセットアップと同じであり、必要なことではありますが、最終的な目標ではありません。

xAPIは、ラーニング・アナリティクスや人事が、ラーニング・エクスピリエンスを改善し、学習者を動機付けし、組織に価値を付加する行動パターンを理解することに役立ちます。xAPIは、Wi-fi程偏在性はありませんが、データ駆動型学習を促し、データの視覚化と測定方法を実現し、タレント・ディベロプメントのエコ・システムを構築します。

xAPIデータのパワー

ラーニング・アプリケーションがデータの標準化をしていく将来を想像できますか。わずか一晩でそこには行き着きませんが、どこかで始めなければなりません。たとえ単一ツールからxAPIデータを収集することから始めるにしても、大きな価値を生みます。xAPIデータは、高精度のラーニング・データや学習行動の「意義」を示します。

xAPIデータは、まだ狭い範囲ですが、学習リソースを明らかにし、いつ誰が何をやっているのかという精密な学習行動を示します。

ラーニング・リソース

xAPI対応学習管理システム(LMS)または顧客関係管理システムからデータを収集すると、一番アクセス数の多いコンテンツ、アクティブな学習者、最もアクティブな時間がわかります。

アフリカの顧客の1人にとって、どのリソースがいつ使用されているのかを知ることは重要でした。参加者のエンゲージメント、コンテンツ・アクセスに費やされる時間、手段、そして時間を知る必要がありました。

その結果、この農業研究所の場合、コンテンツのどこを改訂すれば効果が高まり、トレーニングによるインパクトが大きいのかがわかりました。xAPIを使用して学習パターンとコンテンツのデータを回収することによりリアクション・ベースの制作者からプロアクティブなデザイナにシフトすることが可能です。

詳細な学習者行動
xAPIを使用すると、枝わかれした学習シナリオの選択肢の追跡が可能となり、非論理的学習およびシミュレーション実験における学習行動を深く観察することができます。 L&D機能が、販売、医学、技術サポートなどのダイナミックなコミュニケーション・スキルを必要とするオープンのシチュエーションで学習者をサポートすることができます。

クライアントの1人は、カリフォルニア州の公立看護大学の教育デザイナであり、学習者の理解のギャップを特定するためにデータを追跡します。 学習者が患者に質問した問い、有意であると判断した所見、学習者の最終的な臨床上の推奨事項など、臨床シミュレーション・モジュールからxAPIデータを収集します。

詳細なxAPIの学習データを使用して、学習者全体の行動パターンを識別することができます。 例えば、もっと重要な学習ポイントを正しく判断しますが、必要以上に質問し、無関係なことに目がいきます。 さらに、重要な発見が最善の意思決定につながるわけではありません。一方、最悪の決定を避けるけれども、最良の臨床的推奨事項の代わりに、時には平凡な選択肢を選択することもあります。

意思決定プロセスを理解できるデータがあると、教材の効果を考え直すための示唆となります。このフィードバックを学習者にまとめや議論として伝えます。クライアントは、次のように言います。「この精度のデータが欲しかった、ついにそれが実現しました。」xAPI以前には実現できないことでした。

最初の2例は、単一のツールやラーニング・エクスピリエンスから得られるxAPIデータ収集の価値を示します。次の3つは、学習環境内の複数のコンポーネントによるxAPI統合の価値です。

前にxAPIとWi-Fiを比較して、Wi-Fiは、常時、裏方であり、バックグラウンドの情報を移動させる存在だと言いました。学習者の経験が蓄積される、自動化されたデータは、ライブレポートの基礎となります。ウェブ管理者がWebページビューの統計情報をチェックして、いつでも最新の結果を得ることができるのと同じように、xAPI搭載のダッシュボードには、学習活動をリアルタイムで学習者、インストラクター、および管理者にデータを与えます。

たとえば、ある家具小売業者はYet Analytics、学習活動、プラットフォームにまたがる活動を追跡、測定、統合することによって販売者(学習者)の状況を査定しています。このプロジェクトは、LMS、コンテンツ管理システム、認証およびIDソースからのデータを接続します。ダッシュボードに現れるxAPIを使ったデータは、エンゲージメント、コンテンツ利用率、学習ソース使用率、実行パターン、販売準備、および販売学習の学習者配置といった指標を表示します。

学習進度の可視性は、最も重要な機能の1つです。なぜなら、製品の特徴や優位性をエキスパートとして理解しているかどうかが明らかになるからです。 xAPIを搭載した学習ダッシュボードにより、管理者は学習進捗状況を見ることができ、学習管理ができます。

ラーニング・リポートを学習の完成からエクスピリエンスにシフト

ラーニング・ソフトウェアによって、xAPIの有効化は異なります。特別に設計されたxAPIコンテンツをサポートするものもあれば、内部または外部のデータストアに記録するものもあります。ラーニング・プラットフォームにxAPIを搭載するサプライヤーと作業することにより、学習の測定方法が変わり、アセスメントの結果を示すだけでなく、ラーナー・エクスピリエンスの行程が示せます。

セールス・チームとマーケティング・チームは、クリック、一時停止、バウンス率、リピート訪問者、参照、ユーザーの共通のナビゲーション・パスなど、大規模な行動データにアクセスできます。xAPIを装備した学習ツールは、このレベルの細かいユーザー行動情報をL&D部門に提供し、結果や経路や行動パターンを考えるのに役立ちます。

誰もあなたの制作したコースを完了できず、第3週目に参加者の40%が諦め、特に80%は、90分のビデオの最初の30秒でギブ・アップするという事実を知っているかという違いを表します。L&D設計チームがより良いコンテンツを提供し、プラットフォームがより良いツールを提案するのに役立つようなアクセス・パターンや使用パターンについての意味のある解釈ができるようになります。

学習とパフォーマンスをつなげる

xAPIはもともと学習を追跡するように設計されていましたが、エクスピリエンスの要素となる「学習」とパフォーマンス・データをすべて収集するのに適しています。 しかし、Yet Analyticsは、コールセンターの事例において、顧客サービス・チームの学習経験とパフォーマンス・メトリクスを結びつけることに価値があると主張しています。

コールセンターの従業員は、通常、継続的に集中トレーニングを受け、決まったパフォーマンス指標によって評価されます。 コールセンターの学習データとパフォーマンス・データを統一することで、管理者はトレーニングの効果を実践で追跡し、測定することができます。

こういったプロジェクトは、少しスケールがありますが、ラーニング・エコ・システムのさまざまな部分に関連します。この種のxAPI統合には、LMS、学習コンテンツ管理システム、顧客関係管理システム、ヘルプデスク・データセンター、ナレッジ・マネジメント・ソースを含みます。

パフォーマンスの成果(例えば、受信数、通話待ち時間、顧客満足度など)を特定の学習経験に結びつけると、ビジネス目標と学習を直接結びつけられます。これにより、既存の学習体験の投資収益率を簡単に評価することができます。これは、ラーニング・リソースがより良い成果に貢献するかどうかを示します。しかし、この種のデータには、学習経験開発のためのリアルタイム・フィードバック・サイクルも提供します。 どのトレーニングが最も効果的か、何が失敗かを特定するデータを使って、L&Dデザイナは組織と従業員のパフォーマンスに貢献するサポートを継続的に向上させることができます。

データ駆動型のL&Dへの移行

常に変化する世界では、学習は組織全体にとって重要なことは明らかです。世界経済フォーラムで2018年1月に発表されたように「企業にとって、将来の仕事に社会的責任のあるアプローチを取れるタレントを見つけるには、学び直しとスキルアップ力が不可欠」xAPIなどの標準化されたデータによって得られる可視化した測定可能なデータに頼らざるを得ません。

xAPIをラーニング・エコ・システムに統合するには、さまざまなアプローチがあります。誰にとっても完璧で唯一なアプローチはありません。重要なのは、単一の学習ツールから出たxAPI

データでも、多様な意義が示されるということです。そして、そこからが始まりです。ラーニング・エコ・システムが複数のツールに接続すると、xAPIは組織全体の変革の基盤となり、学習者と人材育成専門家をエンパワーします。

学習エコ・システム分析プロジェクトのベスト・プラクティス
小さく始める

一度に学習エコ・システムの課題をすべて解決しようとは思ってはいけません。限られたデータ・ソースで、個別の測定可能なプロジェクトを選択しましょう。時間や経費をかけ過ぎず、学習分析を進める機会になります。

ビジネス上の課題にフォーカス

より多くのデータを収集し、明確なデータ・ソースを持つビジネスの課題を特定化します。 学習分析を重視することで、学習者の経験を改善し、エンパワーし、ビジネス上の課題に取り組み、ステークホルダーも注目する成功の測定値を出すことができます。

成功の指標

あなたのビジネス課題に直結する明確な目標と対策を設定してください。これらの指標は、イニシアチブを評価し、次の段階に進むためのサポートを得るきっかけとなり、より大きな投資の前に見直すべき箇所を示します。


パフォーマンスにつなげる

学習分析をパフォーマンスに結びつける方法を見つけましょう。 セールスやカスタマーサービスなどの部門では、大量のパフォーマンス・データがあり、学習やタレント・マネジメントに重点を置いています。 彼らは学習分析をするための協業者です。 ラーニング・メトリックをパフォーマンス・メトリックに結び付けることができれば、学習のための測定可能な投資収益率が得られます。

ブリット・ケラーは、学習データ分析会社Yet Analyticsの最高執行責任者(COO)です。brit@yetanalytics.com

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