ATD ICE(国際カンファレンス)2018から - 次世代と未来を創る責任

2018年06月08日 10:04

今年は、ATD創設75周年を祝い、オバマ前大統領が招かれ、ATD CEOのトニー・ビンガムとの対談形式でスピーチがありました。ソファに座り、リラックスした雰囲気の中、人に対する尊敬と謙虚でありながら信念をしっかりと心に伝える人柄が伝わってきました。随所に「これは本当に“FACT”だけどね。」と笑いを誘いながら環境問題に触れ、未来を担う若者に経験の場を早くから与えることの大切さや、その機会を作る「大人」側の公平で公正な態度の大切さを語りました。「方向を決める時、あらゆる階層の人の話を聞くことが大切だと思っています。大統領時代、会議が行われるオーバールテーブルについている閣僚ではなく、周りに立っている若手の官僚と思われる人達に突然話かけることが良くありました。『君、ごめん、名前は知らないんだけれど、このことについてどう思う?』と。大抵の場合、相手は、とてもびっくりしますが、彼らこそテーブルに積まれている膨大な資料の作成者ですから、彼らの率直な意見を聞きたいと思いました。地位や年齢に関係なく話を聞くこと、特に、先を見るのが難しいと思われる未来の前では積極的に若者の話を聞き、若者の経験とリーダーシップを養う機会を積極的に創っていかなければならないと思います。」「特に20歳~25歳くらいの人たちは、何の権限や責任も与えられずに仕事をこなすことが期待されています。しかし、若いころからしっかりとした権限と責任を持つことこそ、未来の課題を発見し、リーダーシップを発揮する人達の育成につながるのではないでしょうか。」と選挙運動中のボランティアの学生が「責任」を与えられて仕事をこなしていく中からさらなる課題を発見し、また、自らコミュニティーの改善運動を発起し、市の議会のリーダーになった例を挙げて、次世代を担う若者の育成に対しての「大人」側の責任について提起しました。AIテクノロジーの急激な変化に対して、「確かにテクノロジーは破壊的変化をもたらしています。そして、そのスピードは驚くほど速くなっています。グローバリゼーションとテクノロジーの進化はもう止められません。」また、「組織文化を創るのは、その要員一人ひとりの責任であり、インクルーシブであることが絶対に必要です。民族主義的な考え方は危険です。」とも添えながら。未来の人材育成に関わるATDのメンバーに対する最後のメッセージとして、「確かにテクノロジーや環境問題を含め、未来はますます複雑に見えます。しかしながら、僕は用心深く楽観視したいと思っています。」と言い、現政権T氏の政策言動に対して少なからず不安を抱いている人々に対するメッセージともとれる言葉でした。「我々一人ひとりが他者への尊敬の念をもってその責任を果たすことが物事をよくすることにつながると信じています。私たち一人ひとり全ての人がこの世界をよりよくしていくべき責任を持っているのです。」と結びました。

ATDボードチェアは、AIやロボテックスの進展による2030年の課題(?)に対するLearning & Developmentに関わる人のレディネスを提起しました。人々のReskilling Needsがあり、かつ、そのスピードは増しているにも関わらず、自分達はその準備や10年後の世界に備えたタレントデベロップメントが出来ているのか、という問いかけでした。

当該カンファレンスでのテーマでもあった “AI Has Reached a Tipping Point. Will It End L&D as We Know It?” と題したセッション(筆者、モデレート)に、300人を超える参加者が集まり、セッション後も多くの人から質問や意見交換を求められるなど、大変盛り上がりました。資料やディスカッション・セッションご希望の方は、当社までご連絡ください。

21世紀を担う若者に対して、今だに「20世紀」から続いている「古い」研修を続けていませんか?彼らに必要な将来スキルは明確になっているでしょうか?L&D部門として貴重な若者の大切な時期と時間を「無駄」になるかもしれない「訓練」や「スキル」研修として投資していませんか?

「時短」や「働き方改革施策」の実行といった対応策(リアクション)のみにとらわれているうちにテクノロジーとグローバルのスピーディーな変化は、私たちを置き去りにしていってしまうかもしれません。

Learning & Developmentのプロフェッショナルが未来を創る責任を全うしようとするならば、今こそ、未来を見据えた抜本的に人材育成体系や研修ニーズを分析し、データに基づいたL&Dを構築するときではないでしょうか。 (中原孝子)
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