混乱を来たす「議論」と魔法を起こす「対話」

2018年02月07日 10:02

タイトルを見て、多くの人は、まず驚かれることでしょう。 どちらもコミュニケーションの形式であり、一般にもよく使われ、”D”で始まります。Thesaurus.comでは、同義語として扱われるため、誤解も生じやすくなります。 そこで、まず、2つの単語の重要な違いを理解していただきましょう。

議論とは何か
最初に辞書の定義を見ましょう。Merriam-Websterの定義は「ある議題について、オープンかつ非公式のディベートをする場」とあります。

Dictionary.comでは、「議論する行為; 特に解決策を探求するために議論によって検討、コメントする場;非公式な議論」です。

どちらも、ディベートに通じます。

語源から見ると、中世英語から生じ、「離れている(dis)」と「揺れ(quatere)」から成り立つことがわかります。“Quatere”は、衝突(percussion)や脳震盪(concussion)の一部である“quash”から派生しました。

活気ある、または、健全な議論に、他の人やアイデアをつぶすようなストーリー展開を表しているのでしょうか。議論の衝突や脳震盪が起こるような議論を意味するとは考えにくいです。

対話とは何か
次に対話の定義を見ます。Merriam-Websterによると、「二人以上の人の対話;アイデアや意見の交換。和解を目指す関係者間の議論。」Dictionary.comでは、「二人以上の人の会話; 特に政治的または宗教的な問題に対して、友好的な合意に達することを目的とするアイデアや意見の交換」とあります。

ギリシャ語の“dia”と“logos”からなる単語です。“dia”は、「通す」、“logos”は「言葉や意味」を表します。そこで、「意味の流れ」と解釈します。ここでは、議論ではなく、「解決する」の意味合いがあることに注意して下さい。

William Issacsは、「対話と思考」という著書で、さらにこれを推し進めます。「最も古い”logos”の意味は、『一緒に集まる』」であり、自然界の親密な関係への気づきを促します。その意味では、”logos”は「関係」と表せるかもしれません。

あまりに深掘りせず、または、浅すぎることなく、言うと、「一緒に考える」のが対話ではないでしょうか。

なぜ違いが重要か
なぜ私はギリシャ語や中世英語まで持ち出してお話をするのでしょうか?それは、あまりにも多くのコミュニケーションが、特に口頭によるコミュニケーションの機能が障害を起こしていると考えるからです。

普段使っているコミュニケーションが、どちらを反映しているかをよくよく考えると、「なるほど」と思われませんか。

私たちは、よりよい意思決定、より強い関係、より明確なコミュニケーションをするための対話よりも、議論をして互いの関係を悪くしていないでしょうか。

議論の混乱
テレビのニュース・チャンネルをつけると、スタジオの中で最悪の議論展開がなされている場面によく遭遇します。相手をしゃべり倒し、服従させ、後味の悪いものにし、この繰り返しを視聴者は見ています。

カメラの向こうの議論は、はっきりといって混乱を来たすだけです。職場ではこのような会話は見受けないと断言するあなたも、仕事場での同僚との会話は、まるで太鼓のリズムに合わせるように、次のような調子になっていませんか:

私が話す、あなたが話す。私が話す、あなたが話す。
主張。反論。主張。反論。

主張は頻繁に登場しますが、尋ねることがほとんどありません。そして、相手の考え(視点)に寄りそうことも少なくありませんか。

要するに、議論で始めると、コミュニケーションが鈍化し、メッセージも明瞭でなく、その上、ミスコミュニケーション(そしてそれに付随するコスト)が横行します。それだけでも心配ですが、混乱はそれ以上の悪影響をもたらします。

最悪の場合、コミュニケーションが、議論だけになると、信頼が損なわれ、個人化が強まり、関係も緊張します。最後に残るのは、争い、ストレス、そして欲求不満です。

対話ではなく議論が、職場での争い、ストレス、欲求不満の原因だと思いませんが、もとになる可能性はないでしょうか。

対話の魔法
魔法という言葉を思い浮かべるとき、最初に脳裏に浮かぶのは、カード、帽子、ウサギを手にする魔術師、そして魔術師が人を切断するといったシーンです。

マジックは習得できるスキルです。そして、説明できるものですが、魔法は、手の平で操り、精巧なプロセスを踏みますが、「オーラ」のあるものです。つまり、本当に現実を変える力のあるものです。

対話も同じです。対話は実在するものですし、非常に強力です。ほんのごく少数の人だけが対話の達人といわれますが、実は、魔術と同様学ぶことができるスキルです。

対話には 「トリック」はありませんが、そのパワーは存在し、誰でも魔法をかけられると、その不思議な力に従います。

リーダとして、熟練したコミュニケータであることを求められるとしましょう。ほとんどの人は、コミュニケーション・スキルというと、通常、会議やグループでのプレゼンテーション、フィードバックの提供、アクティブ・リスニング、メール送信を思い起こします。

しかし、ここに対話が抜け落ちています。

対話は、「本当に良い会話」となる以上のものであり、本当にそこに焦点を合わせれば実現できます。むしろ、対話はつながりの感覚とシナジー創造の集合体です。それは、関係を土台にしたオープンなアイデアを交換する場を醸成します。」

このように対話について考え始めると、魔法とパワーの効果を垣間見ることができます。魔法をかけられ、話に混乱が少ないとどうでしょうか。そして、その後、

•信頼関係はどのように影響を受けますか?
•個別化が弱まり、部署間の会話や理解が深まりますか?
•争いや欲求不満は少なくなりますか?
•会議がより効果的になりますか?
•あなたのチームの離職率や関与はどうなりますか?

確かに魔法です。質問に対するあなたの答えが好ましいものなら、読み進めて下さい。魔法をかけましょう。

ちょうどそれは魔術師が時間と労力をかけて技術を習得しただけで、対話を編み出すのが難しいように、コツを記述しただけでは足りません。ここでできる最善は、対話が作り出す力に気づき、まずやってみることです。

いつ実行するか
習慣となるまで対話をこなすためには、練習する最善の機会がいつか、考えることから始めます。チームで一緒に考えることが最も重要なのは、いつでしょうか?

あなたが最大のギャップを感じ、ハードルを感じるのはどの場面ですか?それが、手がかりです。そして、次の4つの問いに答えてみましょう。

•信頼を育むとき
•変化に関する理解を求めるとき
•問題と解決策を探るとき
・複雑な決定に至るとき

本当に一緒に考えるコミュニケーションを念頭におくと(議論し、特定の視点や解決策を人に売り、擁護、または影響を与えるよりも) 対話の機会が、思ったより多くあることに気づくはずです。

リーダの役割
ここまで読み、この魔法を使いこなしたいと思うのであれば、あなたの立場がどうであれ、あなたは、リーダのようにふるまっていると考えられます。あなたが役職のパワーに頼れない個人であっても、より多くの対話をしたいと考えるのであれば、対話を実践し、場数を重ねて下さい。

すでにリーダであるあなたにも、同じことをアドバイスしますが、あなたにはできることはもっとあります:
•期待値を設定します。まず、あなたは議論と対話の違いを明確にし、他の人に対話を増やす理由を伝えます。それがどういうものであり、なぜ重要なのか、あなたが期待しているのかがわからなければ、人は実行しません。おそらくこの記事はあなたが最初の一歩を踏み出すのを助けることでしょう。
•行動を自分でモデル化する。あなたが議論を始めてしまい、他人に対話することを望むのは、かなり無理のある話です。自分から進んでモデルになる必要があります。
•スキルを磨きます。試みることは一つですが、スキルを身につける必要もあります。
•部下がスキルを身につけるサポートをします。対話にはスキルが必要なので、他の人がスキルを構築することを手伝います。訓練を含むあらゆる学習の形を検討し、練習の機会も提供します。
•コーチングとフィードバックを提供します。人々の習得度についてフィードバックを与え、成長するための計画を立てる手助けをします。
•時間と空間を提供します。新しいスキルを学ぶには時間がかかり、対話のプロセスには、通常のコミュニケーション・アプローチよりも時間を要します。忍耐と時間を心がけ、対話を起こすためのスペースも用意しましょう。

対話のパワーを少しでも認識することができれば、もっとあなたのチームと組織で対話が起こり、学びの探求も深まります。効果的コミュニケーションは組織の成功に不可欠でありながら、現実では欠如しています。コミュニケーション・スキルを構築したいのであれば、対話の魔法の価値を認識し、作り出す方法を学びましょう。

対話のスキル
実務家として、そして、リーダの役割を果たすのに役立て下さい。対話を成すには、次のことを考慮します:
•他者とその意見を尊重します。人々がお互いを尊重せず、あるいは相手から大切にされていないと感じると、対話は起こりません。
•即断しない。一緒に考えているなら、決断を下すわけではなく、分かち合う視点をシェアすることが重要です。
•深く聞きます。 1つの耳で聞くのではなく、傾聴の領域も越えます。聞き取りが深ければ深いほど、対話が起こりやすくなります。
•集中します。自分の考え事や他の意見といった他に気を取られているなら、リストに記載されているほかの事項を実行することは非常に難しいです。
•より多くの質の高い質問をします。対話には、質問と熟練が必要です。本質をついた質問を、ぴったりのタイミングでできることは重要な対話スキルです。
•会話全体を見渡す。対話では、会話の全体像と、私たちがどの時点でも、そこに到り、到った時点を認識する必要があります。
•事実を意見から分離します。意見が事実と誤解された場合、対話は成り立ちません。
•他人を認めます。他者を尊重することの延長として、認めるスキルは信頼と相互尊重の構築に役立ちます。

ケビン・エイケンベリーはケビン・エイケンベリー・グループの創業者、Team Potential Officerです。
kevin@kevineikenberry.com。
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