T+D Magazine最新号トピック 「自律した学習者は仕事でも成功する」

2017年07月14日 13:20

第4次産業革命の真只中、仕事のやり方だけでなく、性質も変化している。前の産業革命において、人々は、新しい需要に応えるため、何十年という月日を新しいスキルを身につけることに費やしてきた。しかし、まさに今、産業界、企業、そして、従業員たちが、すばやく変化に適応できるかどうかを問われている。新聞社、本屋、小売店が軒並み潰れる中、誰もが持ちこたえられるかどうかはわからない。

変化に伴い、業務スキルもシフトしている。SEOスペシャリスト、app デベロッパー、インフォメーション・セキュリティー・アナリストといった10年前には存在しなかった職業が生まれている。既存の職業もスキルの進化が見受けられる。工場スタッフは今やオートメーションを管理し、機械をコントロールする。

人々は、どのように変化に適応し、必要なスキルを身につけているのか。より効率よく、速く学ぶにはどうすればいいか。メタ認知ストラテジーを使って、人々は学びを規制し,理解することができる。

メタ認知とは何か
簡単にいうと、自分の学習を自分でコントロールする学習者を作ること。メタ認知とは、人が自分の思考や学習プロセスを認識し、コントロールするのを助けることである。

例えば、何か学んでいる時、わからない項目をリスト化するのは、メタ認知ストラテジーを使った行為である。問いの前に2つの「!」をつけることは、その場で解を出すことを自分に命じていることを示す。解がわからなければ、前に進めないため、再度問いかけ、助けを求め、リソースを使ってあらゆる手段を使って解を求める、

メタ認知を人が使うのは、より効率よく学び、前の教訓から次の学びを行い、なぜあるトピックがより簡単に、もしくは、難度が高いのかを分析する時である。

指導者は、意図的に学習者の学びを自分ごとにするために、メタ認知を使う。特に、職務スキルが変化している今、私たちは、自分の学びを自分ごとにする必要がある。なぜなら、指導者がいなくても自分で学ぶ方法を身につけなければならないため、タレント・ディベロップメントの専門家だけがこれをできるようではダメだ。
学ぶ方法を理解し、学びを規制するステップは4つある。

—学ぶことを理解する
-学びのゴールをたてる
-進歩をモニターする
-ストラテジーや結果を評価する

<表1>はメタ認知の規制 に関する質問である。これは共時的、教室、会議、または、非共時的な場でも使うことができる。
「何が、わからないのか、どのようなサポートがあれば、わかるようになるか」とよく尋ねる。そして、「この指導のどの箇所を現場で応用するか」とも尋ねる。

教室に来れば、全ての情報を得られると学習者に幻想を抱かせる事によって、かえって彼らに害を及ぼしている。大人は、いわゆる学習の場よりインフォーマルな場で生産的に学ぶ。こういった質問を投げることによって、自分たちの中に問いかけを内在化することを意図している。

<表1>
<ゴール設定>
学習目標は。
指導のどの箇所があなたの業務に関連するか。
このテーマについてどのような質問があるか。
学び、練習するためにどれくらいの時間を確保しなければならないか。

<モニター>
わからないのはどこか。
このセクションをあなたの言葉でまとめてみましょう。
何が理解できませんか。どのように理解できるようにしますか。
どのようなサポートがあり、リソースがありますか。
記憶しなければならないことは何ですか。どのように覚えますか。

<評価>
学習目標を達成したか。
何がうまくいったか、なぜですか。
何がうまくいかなかったか、なぜですか。
これを学ぼうとしている人にどのようなアドバイスを授けますか。

学ぶ方法がわかれば、仕事の生産性も上がる
指導におけるメタ認知の研究はたらふくあるが、あまり実用化されていない。残念なのは、指導者が、学びの成果に大きく貢献することに気づいていないことである。

メタ認知は、学びを助けるだけでなく、仕事もうまくこなせるようになる。”What do you know: do we know when we don’t know?”というblogで、パフォーマンスの低い人が、自分のメタ認知スキルを評価することができない為にパフォーマンスが低いことを自覚していない例が示されている。

メタ認知が教えられないのは、複雑な学習サイエンスだと思われているからだ。この分野の「なぜ」そうなるかを考えることは、複雑だが、応用することはそんなに難しいことではない。メタ認知は、質問などの応用が可能だ。そして、考え、思いや行動とつなげ、成果を出す。メタ認知を教えることによって、

・ さらにたやすく学ぶことが可能になる。
・ 「理解するということ」を分析する。
・ 記憶する最適の方法を理解し、使う。
・ 学んだことを仕事に応用する。

メタ認知は、学びを自律的に行う秘訣だ。

メタ認知の学びのストラテジー
最後の箇所で述べたように、人が何をわかり、わかっていないのかを判断し、誤った理解を正すことが重要である。要旨を自分の言葉で述べ、自己テストに答えることでできる。

要旨は、多くの研究によって、「理解」の度合いを立証する。ここで、誤解を正すことが可能だ。

しかし、指導者は大抵ここまで確認しない。そこでより深い学びが困難となる。

<表2>にあるようなメタ認知サイクルに沿った学びのストラテジーを指導に入れるべきだ。<表1>では、アクティビティとして扱ったものが含まれている。

これは、教室と共時的な学びで活用できるが、非共時的な場でも使用できる。例えば、要旨などをまとめることを非共時のアクティビティとして、教室の学びとブレンドできる。
 
メタ認知による学びは、人の学びを深め、パーソナルにし、学びを正確にする。学びの科学を使って、次から次へと変わるスキルを効率よく体得してもらう必要がある。メタ認知は、すべてのインストラクションに導入することが可能である。

<表2> メタ認知の学びのアクティビティ
<ゴール設定>
学習者の知っていること、まだ知らないことを挙げる。
テーマのアウトラインを与え、テーマに関する質問ができるようにする。
テーマに関する誤解を明らかにする。

<モニター>
インストラクションでもっともわかりづらかったのはどこか。
キーポイントごとに学習者の言葉でまとめてみる。
学習者に質問と回答を作ってもらい、 その質問に学習者に答えてもらう。
それぞれのメモを比較する。
応用することが困難な箇所をどのように理解するか話しあう。

<評価>
学習したことをどのように応用するかシェアする。
次のステップに移る計画をシェアする。
同じ内容を学ぶ次の人へのアドバイス。
インストラクションの後、リソースを使って学びをサポートしあう。

詳細は、T+D Magazine 2017年4月号をご覧ください。
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kokonakahara.blog51.fc2.com/tb.php/133-89446ff6
    この記事へのトラックバック