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グローバルにおけるパフォーマンスマネジメント再定義のトレンド

2016年07月12日 09:58

 グローバルでは、2015年をパフォーマンスマネジメント制度にかかわる人事にとって “unprecedented year” (前代未聞の年)と位置付けられることがありました。それは、2012年ころに始まったAdobeやMicrosoft、Accentureなどの評点付けやランキングによる人材の評価制度や、年次評価面談による業績評価制度の廃止によるパフォーマンスマネジメントを、GEなどをはじめとするメジャーな企業がいよいよ取り入れ始めたからです。2017年までに、少なくともFortune 500企業の50%以上は、年次評価面談やレイティング制度をやめるだろうとさえ言われています。
パフォーマンスマネジメント変革の主な点は、
 従業員によって主導的に開始される恒常的な1対1のパフォーマンスについての会話や「チェックイン」。
 同僚やマネージャー双方からのポジティブでかつ建設的な頻繁で必要なタイミングをとらえたフィードバック。
 年間目標より短期的な目標の設定、そして一年に一度のみではなく、定期的な目標の設定と見直し。
 業績査定よりも、未来志向で開発とコーチングにフォーカスしたパフォーマンスレビュー。
 業績評定による格付け(パフォーマンスレイティング)の廃止。
 目標設定や頻繁なフィードバックなどのパフォーマンスプロセスを支援するモバイルでもアクセス可能なオンラインパ
フォーマンスマネジメントアプリ(システム)。

よく見るとドラッカー以来いわれているマネジメントの基本をしっかり行うことなのです。
そもそも「パフォーマンスマネジメント」が「評価制度」のことではないというカタカナ語に対する本来意味について前回のニューズレターでもご紹介しました。しかし、日本だけではなく、米国に代表される多くのグローバル企業においても、「パフォーマンスマネジメント」は、評価面談に代表される人材評価のルールとなり、人事部門が主導する官僚的なプロセスとなってしまい、本来目的が果たされなくなってしまったことが、「パフォーマンスマネジメント」をReviewしReviseすることに繋がった背景であることが分かります。協働が重要なソフトウェア企業などにおける人材ランキングによる業績評価制度の弊害は、2000年ころからジェフリー・フェッファー教授らによって指摘されていました。そもそもチームワークに向いていない制度であることに加え、一定の「ルール」で評点を付けなければならないことが従業員のモチベーションを下げ、引いてはパフォーマンスに影響を及ぼしていました。また、スピーディーな世の中の動きに対して、一年を待って目標を見直すことでは、今日のビジネス戦略の実現にそぐわなくなっています。 そして、「成果結果」を査定することに時間を取られ、「成果結果」の創生プロセスに時間が使われていないことが、パフォーマンスへのネガティブインパクトを与え続けてきたのです。
「戦略目標と整合がとれ、明確な目的と背景がある測定可能な目標の設定支援」「目標達成と成長を導くためのプロセスにおけるフィードバック」「達成や貢献に対する褒賞」が、マネージャーとして行うべき主なパフォーマンス「マネジメント」の要素であることは、従来の「目標管理制度」の中でも本来行われるべきことと変わりません。しかし、「評価制度」やそれに付随する「評価面談」というイベントが、本来恒常的に行われるべきパフォーマンスマネジメントの実践を妨げてきたことへの修正が求められているということです。
今まで以上に重要な役割を担うことになるマネージャー。そして、頻繁な目標設定のレビューとフィードバックを求めることは、従業員自らの責任ともなってくるのが、新しいパフォーマンスマネジメントに求められることです。マネージャーだけではなく、従業員全員が、そもそもパフォーマンスとは何か、戦略との整合が取れた目標定義はどのように考えればよいのか、「インプット」すべきこと、アウトプットは何になるのか、フィードバックやコーチングが必要なときを見極めるために、どのように途中成果を定義すべきなのかといった共通言語を組織として確立することが、新しいパフォーマンスマネジメント実践には重要なことになるのではないでしょうか。
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