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イノベーションを実現するための人材とは

2012年06月19日 10:24

本通信のVol.32で「革新的人材」について述べましたが、今回はその見つけ方について述べたいと思います。

従来、企業などで新規事業を創出させるために、新しい組織を発足させる場合の人材選出方法としては、①組織や部署のマネージャーによる推薦、②公募などによる自薦、自推、③過去の業績に基づく人選、がそのほとんどでした。しかしながら上記のような方法で選出された人は、いわゆる声の大きな自己の存在を示したい人であったり、上司に受けが良く査定が良い人であったり、過去の経験に依存した「オレ流」型の人であったりしていました。そのような人選やシステムでは、「上司」評価を気にするあまり、リスクテイクできなかったり、従来に無い手法の導入や新規市場への参入やまったく新しいプロセスの改革などには躊躇したり、否定したり、迅速な判断に欠けることもありました。改革へのブレーキを踏んだり、「光る原石」を見過ごしたりすると結果として「イノベーション」にはつながらないことになりかねません。
私たちは、多くのイノベーティブな人材の行動特性や日ごろの振る舞いを観察・分析し、イノベーティブ度合いとどのような特性(コンセプトメーカー、エンジニア、マーケッターなど)が強いかを判定できる指標(質問票)を策定しました。この指標を用いた判定法により、ある程度のイノベーティブな人材をスクリーニングし、さらにインタビューなどを行うことによる革新的人材の選定手法が効果的であると考え、いくつか実践してきました。
上記の6種類の特性の中で、特にイノベーション創出に必要な特性は、「コンセプトメーカー的特性」、「マーケッター的特性」、「エンジニア的特性」の3つであり、一人ですべての特性(資質)を持つ人は稀有なため、複数のチームによる活動が有効と考えられます。
さらには、新規事業を創出させる人材に求められる能力として、①開発リソースの捻出(幹部の説得)、②プロジェクトチームの結成(人的ネットワークの活用)、③開発プロセスの管理(柔軟な運用)、が不可欠であり、「事業化プロデューサー」の特性を持った人材が必要となります。
この判定方法で選出された人材がどのようにして「イノベーション創出」を行っていくかのプロセスを次号でお話ししたいと思います。 (イノベーション人材育成担当) - 6月号に続く
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