2010年04月23日 10:58
DDI(Development Dimensios International )のリサーチプロジェクトでは、
リーダーに対する信頼が、この10年来最低水準まで急激に落ちた事が明らかになった。
そこでは覇気のない就労者と満足している労働者間にある格差が更に拡大化していると
指摘されている。
”この困難な時代だからこそ、雇用主は非生産的で帰属意識の薄い就労者の雇用を避けるべきだ。”
この恐ろしい程に蔓延してしまった幻滅感に対するDDIの見識はもはや珍しいものではない。
事実、我々の周りには徐々に働きがいを腐食するものや、ビジネス社会や政府への不信感を
宣言する調査結果で溢れている。米国産業審議会、デロイトコンサルティング、
英国の公認経営協会他の研究報告からも類似の悲しい事態が見てとれる。
そして、多くの調査結果は現存する景気後退に影響されているとするが、
(特に雇用市場が狭まったことによる可動性の喪失を嘆く向きは特に)
複数の専門家によると、高いレベルでの不満度は後々まで残るとされる。
DDI幹部で本調査書の筆者であるJim Davis は、
”我々はこれを”新しい定位”と呼んでいます。いわば従業員の意向です。”
彼によると”新しい定位”が意味するところは、生産的で有益で在る為に必要な人員数と、
同時にビジネスでの成功に必要な”動機づけ”のできる人材とはどのようなものか、
企業が再定義する事だという。
”企業は少ない人員で、より多くの仕事に対するプレッシャーと対峙していく事になります。
それがより高いレベルでの一体感から発するのであればいいのですが、リーダーにしても
非リーダーにしても変化してきているのです。”
(中略)
全ての調査機関がDDIのように悲観的なわけではない。
例えば、ギャラップ社の年間Q12調査では殆どの就労者が自身の仕事に満足していると
出ており、この結果は1989年に調査を開始したときから変わらない。
ギャラップ社の定期調査が示しているのは、一般的に、25パーセントの労働人口が
非常に高い動機を持ち、また25パーセントが非常に低い帰属意識から一体感を持てずにおり、
そして残りの人々がどちらにも属さない感覚を持って働いているという事だ。
しかし、景気回復が未だ水平線をたどっている今、就労者の低い一体感は憂うべき問題である。
エキスパート達が効果的と見なし、現在のみならず将来にも通用するリーダーシップ戦略を
検討する時期に来たのかもしれない。
それはマッキンゼー社による別の調査、”危機を受けた時・その後のリーダーシップ”のテーマでもある。
マッキンゼー社はオンライン投票形式で経営陣達に、2009年、彼らがどのように先導し、
またその優先順位はどのように変化したと思えるかについて尋ねている。
すると景気後退前と後では、リーダーシップスタイルが大きく変わったが、
それはかならずしも組織にとって為になる方法だけでないと判明した。
例えば、危機を乗り越える為の方策の中では最も効果的でない、としながらも
かなり多くのリーダー達が部下個々のパフォマンス監視に焦点を当てていた。
(中略)
調査は他にも将来的に重要なリーダーシップの姿勢として、
幾度も言われていることではあるが、挑戦を受けること、そして
リスク回避をさせずに創造性を伸ばしていくこと等が挙げられており、
そのようなリーダーシップは”イノベーションを助長し、その組織能力が経済危機後に最も
重要なものとなるだろう”としている。
マッキンゼーはまた、多様性を持たせるためにも堅牢なプログラムによる、女性リーダーの輩出を勧めている。
当然意見調査だけでは一般にリーダーシップへの見識が最低ラインにあると決めるつける事は出来ない。
エンロンの故Ken LayからCEO達、そしてウォール街のトレーダー達までが不正なボーナス報酬を受けており、
我々の不信感には十分すぎる程の根拠がある。職場においても、管理ミスの例はごろごろしているのだ。
”単純に、リーダーシップをつかさどる人々が信用を得るだけの行動を取っていないということなのです。”
トレーニングインダストリー社の社長、D・Haward 氏は説明する。
”就労者が自身の管理者に、信用に値する行動を期待するのは当然の権利であり、
それによって安定した組織が生まれるのです。あまりにも多くのリーダー達がその信用を破っているのです。”
Haward氏はまた、トレーニング業界は伝統的にスキルの視点からリーダーシップにアプローチし、
よりよい決定の為に、コミュニケーションとビジネススキルを強調していたと言う。
”しかし我々は倫理やリーダーシップの選定のプロセスについてちゃんと教えてこなかった。”
例えば、彼はリーダーの役割を切望する人に正当な理由があるとは限らず、前GE社社長、
J. Welch氏の提唱、
”我々はしばしば雇うことに早急すぎ、そして解雇することに遅すぎる。”が聞こえるようだ、としている。
リーダーシップ願望の低下に関するDDIの調査結果についてHaward 氏は特別驚かない。
”多くの人はリーダーの役割を欲していません。”と指摘する。
”なぜなら全ての人が自分達のリーダーシップ環境が不満だからと言ってリーダーになりたいと
思うとは限らないからです。”
しかし同氏は、今や人々がキャリアアップへのチャンスを無視し、”思考のリーダー”であろうとしているとする。
”リーダーシップが日々従業員に対する責任を負わなければならないとか、
経営陣の一部として認識されるという事に限られる訳ではありません。リーダーシップの中の重要な要素は、
必要な分野で熟練レベルに達する事。それが他者の学びや追従に対する気づきを促しているのです。”
同氏は、思想的指導者は全ての職種において重要だが特にトレーニングの世界では特に重要である、
と考える。その見解には北カルフォルニアに拠点を置く、組織開発・教育企業、デューク社の取締役、
J・Bleak氏も賛同している。
”悲しい事に、ビジネスを先導するロールモデルが失われたことで我々には更なる幻滅が待っています”
望ましいリーダーシップによる管理が欠如しているのにあまりに多くの企業が、
”グローバルで全体的な思考様式”というような曖昧な達成目標を掲げている、と彼は見ている。
”リーダーシップこそが彼らに欠如しているものであり、また軽んじられてきたものなのです。”
同氏はあまりにも多くの組織が、従業員達は仕事によって貢献し、
それによって自分の価値を実感したいのだ、という明白な事実を見落としているとしている。
そのような志は平時に広く行き渡っていたのだが、経済危機で従業員達の低い士気が蔓延してしまった、
と彼は指摘する。
最も若い世代こそ熱意があり、キャリアの早い時期からビジネスへの関与とそこからの恩恵を望んでいるとして、
”彼らはまた、この時期だからこそ建設的なフィードバックを求めているのです”と同氏は言う。
”しかし経済的下降の出現がこの世代に更なる影響を与えてしまった。そのせいで商機や昇給、
全般的な成長などかつて求めてきたモノに対してさえあたかも抑圧された感覚に陥ってしまっているのです。”
”その“抑圧環境”こそがリーダーシップへの挑戦という問題を提起しているのです。”
そう同氏は訴えている。
(中略)
マネージャーはどのようにこの状況を切り抜けていけばよいのだろうか?
”まず手始めに部下が望んでいるやりがいのある仕事与え、今よりもっと彼らに信頼を置く事です。”
とアドバイスしている。
”彼らの活動が広い領域に渡ってどの程度貢献しているかを知らせるのです。そして最も大切なことは、
何かをただ”伝える”のではなく、「教える」ことです。指示するよりも、どのようにするかを見せるのです。
自らが例となるのです。”
”要約すればマネージャーはどのように一体感を高めていくのかをまず考えるべきなのです。
その答えは、リーダーシップの改善、仕事の質を変える事によってより加速される事でしょう。”
(以下略)
(T+D 3月号記事より抜粋・翻訳)
リーダーに対する信頼が、この10年来最低水準まで急激に落ちた事が明らかになった。
そこでは覇気のない就労者と満足している労働者間にある格差が更に拡大化していると
指摘されている。
”この困難な時代だからこそ、雇用主は非生産的で帰属意識の薄い就労者の雇用を避けるべきだ。”
この恐ろしい程に蔓延してしまった幻滅感に対するDDIの見識はもはや珍しいものではない。
事実、我々の周りには徐々に働きがいを腐食するものや、ビジネス社会や政府への不信感を
宣言する調査結果で溢れている。米国産業審議会、デロイトコンサルティング、
英国の公認経営協会他の研究報告からも類似の悲しい事態が見てとれる。
そして、多くの調査結果は現存する景気後退に影響されているとするが、
(特に雇用市場が狭まったことによる可動性の喪失を嘆く向きは特に)
複数の専門家によると、高いレベルでの不満度は後々まで残るとされる。
DDI幹部で本調査書の筆者であるJim Davis は、
”我々はこれを”新しい定位”と呼んでいます。いわば従業員の意向です。”
彼によると”新しい定位”が意味するところは、生産的で有益で在る為に必要な人員数と、
同時にビジネスでの成功に必要な”動機づけ”のできる人材とはどのようなものか、
企業が再定義する事だという。
”企業は少ない人員で、より多くの仕事に対するプレッシャーと対峙していく事になります。
それがより高いレベルでの一体感から発するのであればいいのですが、リーダーにしても
非リーダーにしても変化してきているのです。”
(中略)
全ての調査機関がDDIのように悲観的なわけではない。
例えば、ギャラップ社の年間Q12調査では殆どの就労者が自身の仕事に満足していると
出ており、この結果は1989年に調査を開始したときから変わらない。
ギャラップ社の定期調査が示しているのは、一般的に、25パーセントの労働人口が
非常に高い動機を持ち、また25パーセントが非常に低い帰属意識から一体感を持てずにおり、
そして残りの人々がどちらにも属さない感覚を持って働いているという事だ。
しかし、景気回復が未だ水平線をたどっている今、就労者の低い一体感は憂うべき問題である。
エキスパート達が効果的と見なし、現在のみならず将来にも通用するリーダーシップ戦略を
検討する時期に来たのかもしれない。
それはマッキンゼー社による別の調査、”危機を受けた時・その後のリーダーシップ”のテーマでもある。
マッキンゼー社はオンライン投票形式で経営陣達に、2009年、彼らがどのように先導し、
またその優先順位はどのように変化したと思えるかについて尋ねている。
すると景気後退前と後では、リーダーシップスタイルが大きく変わったが、
それはかならずしも組織にとって為になる方法だけでないと判明した。
例えば、危機を乗り越える為の方策の中では最も効果的でない、としながらも
かなり多くのリーダー達が部下個々のパフォマンス監視に焦点を当てていた。
(中略)
調査は他にも将来的に重要なリーダーシップの姿勢として、
幾度も言われていることではあるが、挑戦を受けること、そして
リスク回避をさせずに創造性を伸ばしていくこと等が挙げられており、
そのようなリーダーシップは”イノベーションを助長し、その組織能力が経済危機後に最も
重要なものとなるだろう”としている。
マッキンゼーはまた、多様性を持たせるためにも堅牢なプログラムによる、女性リーダーの輩出を勧めている。
当然意見調査だけでは一般にリーダーシップへの見識が最低ラインにあると決めるつける事は出来ない。
エンロンの故Ken LayからCEO達、そしてウォール街のトレーダー達までが不正なボーナス報酬を受けており、
我々の不信感には十分すぎる程の根拠がある。職場においても、管理ミスの例はごろごろしているのだ。
”単純に、リーダーシップをつかさどる人々が信用を得るだけの行動を取っていないということなのです。”
トレーニングインダストリー社の社長、D・Haward 氏は説明する。
”就労者が自身の管理者に、信用に値する行動を期待するのは当然の権利であり、
それによって安定した組織が生まれるのです。あまりにも多くのリーダー達がその信用を破っているのです。”
Haward氏はまた、トレーニング業界は伝統的にスキルの視点からリーダーシップにアプローチし、
よりよい決定の為に、コミュニケーションとビジネススキルを強調していたと言う。
”しかし我々は倫理やリーダーシップの選定のプロセスについてちゃんと教えてこなかった。”
例えば、彼はリーダーの役割を切望する人に正当な理由があるとは限らず、前GE社社長、
J. Welch氏の提唱、
”我々はしばしば雇うことに早急すぎ、そして解雇することに遅すぎる。”が聞こえるようだ、としている。
リーダーシップ願望の低下に関するDDIの調査結果についてHaward 氏は特別驚かない。
”多くの人はリーダーの役割を欲していません。”と指摘する。
”なぜなら全ての人が自分達のリーダーシップ環境が不満だからと言ってリーダーになりたいと
思うとは限らないからです。”
しかし同氏は、今や人々がキャリアアップへのチャンスを無視し、”思考のリーダー”であろうとしているとする。
”リーダーシップが日々従業員に対する責任を負わなければならないとか、
経営陣の一部として認識されるという事に限られる訳ではありません。リーダーシップの中の重要な要素は、
必要な分野で熟練レベルに達する事。それが他者の学びや追従に対する気づきを促しているのです。”
同氏は、思想的指導者は全ての職種において重要だが特にトレーニングの世界では特に重要である、
と考える。その見解には北カルフォルニアに拠点を置く、組織開発・教育企業、デューク社の取締役、
J・Bleak氏も賛同している。
”悲しい事に、ビジネスを先導するロールモデルが失われたことで我々には更なる幻滅が待っています”
望ましいリーダーシップによる管理が欠如しているのにあまりに多くの企業が、
”グローバルで全体的な思考様式”というような曖昧な達成目標を掲げている、と彼は見ている。
”リーダーシップこそが彼らに欠如しているものであり、また軽んじられてきたものなのです。”
同氏はあまりにも多くの組織が、従業員達は仕事によって貢献し、
それによって自分の価値を実感したいのだ、という明白な事実を見落としているとしている。
そのような志は平時に広く行き渡っていたのだが、経済危機で従業員達の低い士気が蔓延してしまった、
と彼は指摘する。
最も若い世代こそ熱意があり、キャリアの早い時期からビジネスへの関与とそこからの恩恵を望んでいるとして、
”彼らはまた、この時期だからこそ建設的なフィードバックを求めているのです”と同氏は言う。
”しかし経済的下降の出現がこの世代に更なる影響を与えてしまった。そのせいで商機や昇給、
全般的な成長などかつて求めてきたモノに対してさえあたかも抑圧された感覚に陥ってしまっているのです。”
”その“抑圧環境”こそがリーダーシップへの挑戦という問題を提起しているのです。”
そう同氏は訴えている。
(中略)
マネージャーはどのようにこの状況を切り抜けていけばよいのだろうか?
”まず手始めに部下が望んでいるやりがいのある仕事与え、今よりもっと彼らに信頼を置く事です。”
とアドバイスしている。
”彼らの活動が広い領域に渡ってどの程度貢献しているかを知らせるのです。そして最も大切なことは、
何かをただ”伝える”のではなく、「教える」ことです。指示するよりも、どのようにするかを見せるのです。
自らが例となるのです。”
”要約すればマネージャーはどのように一体感を高めていくのかをまず考えるべきなのです。
その答えは、リーダーシップの改善、仕事の質を変える事によってより加速される事でしょう。”
(以下略)
(T+D 3月号記事より抜粋・翻訳)
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